高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

SBCast. 振り返り(SBCast. #30 ゆっくり考える(スマートフォンアドバイザー モバイルプリンスさん)

さて本ブログの新コーナー(?) SBCast. 振り返り。

わたしは常々、まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.でSBCast.という、地域活動・コミュニティ活動を紹介するポッドキャスト、SBCast.というものを配信しています。

今年度(7月~)は横浜市内の人をゲストにお招きしづらくなったのもあって、大阪、沖縄、熊本、北海道と、横浜市外(関東外)の人をゲストとしてお招きし、いろいろお話を伺うようにしています。

今のところほとんど別のイベントで繋がりがある知り合いの方を招待している状態。現在Keenやいろいろな地域イベントに根を張って情報を探していますので、来年に向けてもっといろいろな分野で活動をしている方をご紹介していければと思います。

というわけで、第1回は「振り返りの記事を書きたいな」と思っているうちに31回放送がはじまっちゃって、なかなか書けていなかった30回、モバイルプリンスさんの回から。

sbc.yokohama

SBCast. #30 モバイルプリンスさん回

というわけで、30回目は沖縄でスマートフォンアドバイザーとして活動しているモバイルプリンスさん。沖縄のラジオ局オキラジで、8月までスマートフォン王国というラジオ番組をやっているほか、アップというラジオ番組の曜日ゲストとしても活躍。先日からYouTubeでの動画配信も手がけている方。

フリーランスであり、同じフリーランスとして活動する身からして、わたしもちょっと憧れの存在であります。

なので、今回思い切って声をかけてみて本当に良かったなと思います。番組切り替わりの時期にお話しできた というのも非常によいタイミングだったな と。

スマートフォンの知識がある人とない人

今回特に振り返りで書きたい と思ったのは、11分半あたりから話している、スマートフォンのサポートについて。

AppleとかGoogleとかのOSベンダーやLINEなどの主要サービスを提供する企業が、もっとちゃんとサポートした方がいいのでは というモバイルプリンスさん。

たとえばApple IDやその他サービスアカウントの設定について、初心者の方が躓くことが非常に多いシーン。パスワードを忘れていたり、なんのために使うものなのかわかってなかったりして、再設定することになったり、手帳を探してもらったりすることは、多々あります。

そういうデータは、AppleGoogleも分かってるのでは?もうちょっと積極的にサポートしてもいいのでは?とモバイルプリンスさんはいいます(16分あたり)。

実際わたしもスマートフォン・パソコンの個別相談などを受付していたわけですし、そういうシーンには何度も出くわしています。

ただここは、個人的には「モバイルプリンスの意見とわたしの意見はちょっと違うかな」と思った点で。

わたしは「たぶんAppleGoogleも真の意味ではそういう人の存在を認識してないのでは」と思ったのです。

データで見えるのと実際に存在を知覚するのとは違う

たしかに、AppleGoogleは、アプリの操作をある程度モニタして、「ここで戸惑ってる人がいる」とか「ここで上手くできてない人がいる」というデータは持っていると思います。

実際Windowsなんかが、スタートメニューの利用率などを調査して、結果を今後のWindowsにフィードバックしているという話しは聞いたことがありますし、実際そういうこともできるはずで、AppleGoogleがそれをやっていても、何ら不思議ではない。

ただ個人的には、ことITリテラシーにおいては「実際にリテラシーのレベルが全く違う人と会って話したことがある」というのと「データとしてそういうトラブルが起きていること知っている」というのは、天と地ほどの差があると思っていて。

たとえば、わたしもいろいろなIT勉強会や、その懇親会で地域の人々がどこでどう詰まるのか、スマートフォンでどういう行動をするのか、インターネットについてどういう認識をしているのか という話しをすると、結構な確率で驚かれることがあります*1

ただ実際に「そういう人と会ったことがない」という人は、一人もいないと思っています。

例えば先日買い物をしたお店の店員さんだったり、いつもかかってる歯医者の院長さんだったり、行きつけのカフェのマスターだったり。どこかしらでITについて「なにもわかってない人」と会ったことがあるはずなわけで。

ただそれでも、認識できていない。それはたぶん、その人たちと面と向かって、じっくり話したり、一緒にご飯を食べたり、パソコンの話をしたりしていないからなのではないか と思います。

それと同じで、AppleGoogleも、たしかにデータとしては「パスワード認証などで失敗している人がいる」ということを認識できているかもしれない。ただ、それが何故なのかまでは理解できていないのではないでしょうか。

それは恐らく、各種携帯電話キャリアも同じ。ドコモやauも、地域のコミュニティスペースのイベントに来ていないわけではありません*2

ただ、それでも「ショップの人が交流した」というのと、「キャリアの内部で仕様策定などに関わっている人が交流した」とは全く違う。だからたぶん、ああいう人たちもほんとうに分かっている訳じゃないんじゃないかなあ*3と。

OSベンダーの社会的責任

SBCast.では毎回、エピソードの内容をまとめて、2,3分で話しをまとめる、まとめトークを追加しています。このため、実はSBCast.の編集中に2回*4、放送後に1回*5聞いているのですが、そのときに思ったのが、「OSベンダーの社会的責任」という言葉。

とくにPCやスマートフォンのようなOSのベンダーみたいな大きな企業には、それなりの社会的責任があるのかもしれない。それを使う人が不便に思わないよう、単純な顧客満足度以外の面でも考えないといけないところはあるのかもしれない。

企業の社会的責任といえばCSRですが、あらためて検索してみると、部品や学校教育などの観点に関しては結構しっかりとした活動が書かれていますが、すでに学校を卒業した人たちに向けた学習コンテンツや、サポートなどについてはとくに書かれていない(サラッと見ただけなので見落としはあるかもしれない)。

www.apple.com

edu.google.com

教育という側面でも結構見落とされがち(以前行ったパネルディスカッションでも、課題を認識して何かしている人はいなかった)な感じはありますが、新しい技術を教育に取り入れよう というとき、個人的には学校教育と同時に、学校以外の学習コンテンツも変えていかなければいけないと思っています。

学校での学習コンテンツを充実させるのは大事ですが、23歳以上の、多くのケースにおいてとっくに学校を卒業してしまった人たちはその恩恵を受けることができず、そこで語られる知識を得ることはできないから。

いくら子どもが勉強をしても、その時代その時代で意思決定をするのは、だいたい30歳以上の人達なわけで。子ども向けの学習環境を変えるなら、大人向けの学習コンテンツもセットなんじゃないかなと。もちろんせっかく学習コンテンツがあっても食いつかない人というのはいくらでもいますが、それでもないよりは断然マシなわけで。

そういう情報を発信する。そういう情報を見やすい場所に置いておく そういう社会的責任のようなものはあるのかもしれない などとこれをあらためて聞いていて思いました。

わたしたちはどうすればいいのか

わたしたちはどうするかって?そりゃもう今すぐにでもまちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.にJoin us!

じゃなくってえ。

ひとまずは、お互いに自己紹介することからはじめるのが良いのかな と思っています。いわゆるITパワーユーザーの人たちは、地域のコミュニティに。地域のコミュニティの人たちは、ITパワーユーザーのコミュニティに。せっかく今は、ほとんどのことがインターネット上で展開されているのですから。

で、お互いがお互いの人とじっくり話して、「ああいう人が、この世の中にはいるんだ」ということを認識することが、まずは第一歩なのではないかと思います。そこから見えてくることはきっと少なくないと思うので。

どうしても活動の糸口が見つからない?だったらまずはSBCast.でも聞いてみたら良いんじゃないですかね?

*1:そういえば最近少なくなって気がするのですが、それは対面じゃないからイマイチ伝わってないのか、だんだん認識として広まってきたのか…

*2:実際戸塚のとつかお結び広場 などには、近隣のドコモショップが毎回出てきています

*3:それでもAppleGoogleに比べれば数倍分かってるんでしょうけど

*4:1回目は音声のノイズや冗語のカット、2回目はまとめトークのネタまとめ

*5:YouTubeに音声を上げていいかどうかのテスト視聴