高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

SBCast. 振り返り(SBCast.#37 つながり・関係性ネットワーク(CRファクトリー呉 哲煥さん)

先月はアドベントカレンダーなどでおやすみしていたSBCast.振り返りを再開。

37回目のSBCast.は、CRファクトリーの呉さんでした。

sbc.yokohama

CRファクトリーは、コミュニティの運営について様々なセミナーや、コラムの発信などを行う団体。

東京のCRファクトリーのオフィスでもイベントをやっていますが、YOKOHAMA SOUPや横浜市内のイベントなどでちょくちょく団体の方をお見かけしていました。

わたしも2008年からイベントに関わっており、一度SBCast.でもお話しを伺ってみたいと思っていた団体の一つ。年末ということで、呉さんをお呼びしてお話しをお伺いできて、とてもよかったです。

お話しした内容

今回お話ししたことでとても印象に残っているのは、以下のこと。

ITコミュニティとそれ以外のコミュニティってどうしてつながらないの?

これは個人的にとても気になっていたことの一つです。

ITコミュニティや、IT系のポッドキャストを聴いていると、様々な分野で活動されている方をお見かけするものの、地域コミュニティやSDGsCSRなど地域にいれば必ず聞くような単語を全くといって良いほど聞かない。

かといって住んでいるところが違うのかというと、そういうことではない。ITコミュニティの多い東京にだって沢山のコミュニティがあるし、やってることは他地域のコミュニティとそんなに変わらない。

外出が制限された今になり、すべての活動がオンラインになっても、変わらず交わりはないし、ITコミュニティやIT系ポッドキャストでも名前を聞かない。なぜなんだろう?と思っていました。

呉さんは「淡水魚と鹹水魚のよう」と表現されていました。

実際地域コミュニティにもオンラインコミュニティにうまく馴染んでる人と馴染んでない人がいるし、ITコミュニティにもオンラインに馴染んでる人、馴染んでない人がいる。

実際はそれ以上に層が分かれているのかもしれませんが、近いところはあるのかもしれない と思いました。

これについてはもっと今後も深掘りしていかなくちゃいけないんだろうなあ と思っています。

個人的には、お互いのコミュニティにいいところがあり、ITコミュニティにも取り入れて欲しい地域コミュニティのメソッドもあるし、その逆もある。もっと交流することで、お互いのメリットをより活かした何かが出来るのではないかと思っています。

偶然と申請主義

そしてもう一つ、インターネットサービスの申請性について。

インターネットのサービスって考えてみるとだいたいなにかの申請をしないとつながらない。Twitterだって相手をフォローしないと投稿を見ることはないし、Facebookやバーチャルランチクラブは、つながりを申請しないとつながることができない。

よくインターネットは偶然が作りにくいとは聞きますが、ほんとうに偶然を作るのは難しい。

たしかに偶然Twitterやバーチャルランチクラブで見かけて、偶然話題を共有できて盛り上がる ということはできます。

しかし、その偶然だってそもそもTwitterやバーチャルランチクラブにユーザー登録をしていて、お互いがある程度近いカテゴリの活動をしている(サジェストされやすい状態にある)という前提がある。

このため、本当に偶然に、全く違う活動分野の、何の接点もないという方と話すというのは、本当に難しい*1

それを役所の手続きに似ている点があるというのは、未知の視点でした。

申請によるつながりは、自由で選択的で、煩わしい繋がりを作る必要がない というメリットがあるものの、反面待っているだけでは繋がれないという難しさ、残酷さがある という話しは、とても今のオンライン環境を表す言葉だな と思います。

この環境下でどうやって偶然を創り出すか。申請しないでもつながる仕組を作り出すかのヒントは、ひょっとしたら行政関連の活動にあるのかもしれない。そう思う一言でした。

*1:Twitterで他人のいいねやRTが見えたり、バーチャルランチクラブで不定期にお勧めユーザー画面が表示されたりと、一見鬱陶しい幾つかの機能。あれはそれでも偶然を創り出そうとそれぞれのサービスが考えた結果なのかもしれません