このブログはまちづくり Advent Calendar 2020 - Adventar22日目の記事です。
今回は、今年行われていた様々な都市型フェスティバルなどのワンデー以上のカンファレンスイベントについて、振り返ってみようと思います。
オンラインイベントの利点
今年は基本的にすべてのイベントをオンラインで ということで、様々な都市型フェスティバルやIT系イベントがオンライン開催となりました。
その結果、自宅に居ながらにして神戸や福岡、北海道や沖縄などの都市型フェスティバルや、大阪中心で行われているITイベントなどに参加できるようになりました。
個人的にはこうやって多くの人の意見や疑問に触れることができたというのは非常に良いことだと思っていて、なんだかんだリアルイベントでも話しに入り込めず浮いてしまいがちだったわたしには、非常に嬉しいことと思っています。
たしかに直接リアルイベントで会ってお話しすると、そこでしか見られないもの、話せないことなど、そこでなければ得られないものは多いのですが、その代わりに時間やお金など、失うものも少なくない。だから「知らないイベントには、まずオンラインで参加できる」という今の感じが、なんだかんだ心地よいなと思っています。
個人的には今後、来年以降も、こういったかたちでのイベント参加ができたらな と思います。もちろん今後、オフラインでのイベント開催などはまた、再開していくかもしれませんが。
今年行われた様々なイベント
今年行われたイベントで、自分が参加したイベントは、次のようなもの。
もちろんそれ以外にも2,3時間程度の短いイベントなどには沢山参加していますが、書き出したらキリがないため、この程度で。
- 都市型フェスティバル
- 078Kobe(5月/9月)@神戸
- NoMaps(懇親会のみ)@北海道
- 明星和楽@福岡
- LEAP DAY@沖縄
- その他地域イベント
- IT系カンファレンス
- CROSS Party Online@横浜市西区
- 関西オープンフォーラム2020@大阪
- Code for Japan Summit
- .NETラボ勉強会@東京都港区
- オープンソースカンファレンス
オンラインイベントで使用された様々なツール
オンラインイベントでは、そのときそのときで様々なツールが使用されました。
こちらについても振り返ってみようかなと。
もっとも頻繁に使用されたZoom
オンラインイベントで使用されたツールと言えば、一番多かったのは、Zoomかな と。
発表者と参加者があつまり対話する形式のイベント、ウェビナーのように登壇者数名が話し、それ以外はコメントなどで質問を行うイベントなど、様々なイベントで幅広く使用されました。
個人的には特にウェビナーにはもっといいツールがあると思っていますが・・・ ただ、Zoomでのイベントの一番の魅力は登壇者と発表者の間の通信遅延の少なさ。
リアルタイム性を追求したイベントではZoomが多かったな と思います。
ウェビナーには、YouTube Live配信
また、ウェビナーの中には、YouTube Liveで配信されているものを視聴者は見るだけ というものも多かったと思います。
その場合も、視聴者はそれぞれの配信のコメント欄から意見や質問を投げかけることができ、ファシリテーター次第で参加している感を醸し出すことができました。
これら配信の背景には、ZoomやStreamYardといったツールを使用している例が多かったと思います。
それぞれのツールにYouTube Liveへの配信機能があるので、それを使用して配信 という感じ。
さらにStreamYardだと、配信サイトのコメントを配信スタジオサイトから閲覧・画面に表示することもでき、ファシリテーター次第でかなりライブ感のあるイベントを演出できます。
個人的にはこのへん、078KobeやPeatixライブイベントの没入感は目を見張るものがあったなあ と。
人によってはZoomの映像をOBSで加工して配信している という例も見受けられましたが、努力に見合うほどのメリットは得られなさそうだなあ という印象。
そのほか様々なツール
そのほかにも、様々なツールが使用されました。
- Remo Conference:SDGsオンラインフェスタ・関西オープンフォーラム2020、オープンソースカンファレンス
- Teamsライブイベント:.NETラボ勉強会
- RPGツクール製会場:LEAP DAY
- Airmeet:078Kobe
- oVice:NoMaps
- cluster:078Kobe
- DABEL:078Kobe
- Spatial.chat:オープンソースカンファレンス
とくにAirmeetやRemo Conferenceは、オープンなフィールドに並ぶテーブルのうち、どれかを選んで着席、その場にいる人とビデオ有りの会話ができるというもの。
078Kobeでは直前のカンファレンスの登壇者との歓談スペースやイベント終了後の懇親会、SDGsオンラインフェスタでは、関係する様々な人との交流に使われていました(AirmeetとRemo Conferenceの主な違いは、料金体系の違いくらいです)。
oViceやSpatial.chatはバーチャル空間の中で参加者と会話ができるサービス。距離の概念があり、近い人の声ほどよく聞こえるという、リアルの懇親会に近い感覚が味わえるサービスです。こちらも双方料金体系が違いますが、それ以外の機能は最近のバージョンアップによって大した差がなくなっているようです。
また、大規模なイベントで使われている例は見かけませんでしたが、Discordで声だけ参加のもくもく会をやっている場所もあります。こちらはカメラがないことからとくに身支度を必要とせず、PCのスペックを要求することもないため、また新しいイベントのスタイルだなあと思いました。
サービス自体がiPhone専用なので参加できませんでしたが、DABELでの談話室 というものも良さそうだなあと思いました。まあプラットフォームを固定してしまうので、だったらDiscordでも・・・という気はしますが。
様々なイベントのかたち
オンラインのイベントにも様々な種類があります。
討論型のワークショップやセミナータイプの勉強会や発表会、果てはパブリックビューイング会場としてオンライン会場を使うなど、様々なタイプのものが存在しました。
このあたりもオンラインイベントの多様性を特徴付けるものだったと思います(リアルイベントだと大抵ワークショップかセミナーの二つくらいしかないので)。
ただ、面白い取り組みをやっているところはあっても、それが他のイベントで使われている ということはなく、あまりあちこちに波及していなかったのはちょっと勿体なかったかな。
078KobeやPeatixイベントの没入感あるコメントの表示方法や、Airmeetを使った交流会・カンファレンス登壇者との歓談スペースなど、面白い取り組みが、もっと色々なところであれば、もっと面白いものも生まれてくるだろうなあ と思いました。
まあ、このあたりはまだ、主催者もみんななんだかんだ手探り。今後もっと、面白い取り組みが出ていくんだろうなあ と思います。
ITコミュニティと地域コミュニティの交わり
ところで以前わたしがゲスト出演したラジオ、Automagic.FMのやすひささんが次のような記事を書いていました。
付箋紙に話の内容を書いていって、対話を生み出すという手法、面白い取り組みだなとは思ったものの、考えてみればそれは、地域コミュニティイベントでときどき行われるワールドカフェと同じようなものなのでは?と。
そういえばIT勉強会でこのようなワールドカフェが行われた事例はあまり聞いていないので、単純にそういった文化が今までITコミュニティになかったということなのでしょうか。
ただ、もしワールドカフェのような手法が考慮されてなかったとしたら、それはそれで勿体ないなあと思いました。
ITコミュニティからもリアルイベントという手段が封じられて、やっとそういう選択肢がみえるようになった ということなのか。
それはなぜ、地域コミュニティから伝わってこなかったのか。
そう思うと、ITコミュニティと地域コミュニティは、もっと混ざり合ったら良いんだろうなあ と思います。
お互いにたぶん「そのコミュニティにしかない特色」というものを持っていると思うので。
そういった特色を交換し合い、共有するためにも、お互いのコミュニティがもっと混ざり合う必要がある。
そうしたら、もっと新しい何かが見えてくるのかもしれない。そこに、より面白く、臨場感のあるイベントの手法があるのかもしれない。
来年に向けて、より二つのコミュニティが混ざり合っていけば、そのための手助けができればよいな と思いました。