高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

山手縁乃庭の現状と課題

SIDE BEACH CITY.のブログでも書いた通り、わたしは横浜市山手の山手縁乃庭というスペースの支援を行っています。

sbc.yokohama

自分にしては非常に珍しく、実際に現地に向かっての活動。今のところほぼ毎週木曜日には山手縁乃庭に行って活動を行っています。

やってることは主に、毎週木曜日に行っている町のお茶の間での、Nintendo Switchの展開。

今のところ主に子ども向けになりますが、子どもに遊び方を教えたり、Switchのケーブル周りを設定したりといった活動が主になっています。

たまに保護者の方にこういうところにゲームを置くことの意義や目的などを話したり。今のところは結構毎週盛り上がっている感じ。

主だった環境について

縁乃庭は、古民家を改装したスペース。

元リビング・ダイニングを開放してゲームをしたり、参加者の人と話したり。毎回部屋の構成を変えながら工夫しつつ進めています。

参加者

この縁乃庭に来られる方は、山手近隣の地域の方や、学校が終わった後の小学生*1

ほかの日には高齢者向けのイベントをやったり、大学生中心のイベントをやったりとしているようですが、木曜日は基本的に子どもとその保護者、たまにそれを聞きつけた近隣の公共施設の方が様子見に来る程度。

小学生以上の子が多いときは、やはりとても賑やかになります。普段そういうような場に居ることがないので、とても新鮮な感じです。

Switch

用意しているのはNintendo Switch Sports。

www.nintendo.co.jp

様子を見て今後他のゲームも導入できればいいなと思ってはいるんですが、他の会場側の人がついていけないのもあるので*2、今のところはこのSwitch Sportsのみ。

Nintendo Switch本体は、縁乃庭にかかわっている人からの寄贈品となっています。

ゲーム機を置くことの狙いや考え

いろいろな人が関われる公共的なスペースにゲーム機を置く。正直ずっとやってみたいと思っていたことではあります。

それは、SIDE BEACH CITY.のブログの方にも書きましたが、より多くの人がゲームというものに、ある程度で良いので関わってほしいと思ったから。

巷にゲームやゲーム的なメディアが溢れ、人が一生のうちに一度もゲームに触れないということは極めて難しい時代。 だからこそゲームに触れないのではなく、ゲームとのよい距離感を考えることが必要だと私高見は考えます。

ゲームを取り巻く環境の変化、ゲームのジャンルの変化、課金体系の変化。さまざまな変化がゲーム業界でも起こっている

それらは時に、プレイヤーだけでなく、家族や周りの人の生活にも影響を及ぼすこともある。

だからこそ、プレイヤーの親、兄弟、地域の周りの人々。ゲームについては、プレイヤー以外もある程度以上に知っている必要があるのではないかと最近思います。

今、ゲームでしか得られない/得がたいものがある。ただし、遊び方を間違えれば失うものだってある。

だからこそ、ゲームとのいい関係性を築く。それはとても重要なのではないか。

遊びたくても遊べない

一方、最近のゲームは、プレイするのにリアルな環境を要求するものもある。

例えば今回取り上げたSwitch Sportsは、1プレイヤーあたり畳二畳分ぐらいのスペースが必要です*3

そのほかにも、実際に2人以上のプレイヤーが近くにいなければいけないゲームや、十数人ぐらいのプレイヤーが集まっていなければいけないゲームなど、プレイにゲーム機本体以外に必要とするものが多いゲームというのも、結構あります

そういったゲームを遊びたくても遊べない。遊びたくても遊べるゲームモードが限られる。そんなゲームは実は結構ある。

そんなゲームを存分にプレイできる場として、縁乃庭のようなスペースが使えるんじゃないか?

公共スペースにゲーム機を置きたい

公共スペースにゲーム機を置きたい。そのための準備としての活動の一つでもあります。

区民センターや公民館。地域にはたくさんの公共施設があります。

ただ、それを利用しているのはほとんどが高齢者だったり、たまに学生たちが自分たちで集まるための場所として使っていたり。その場で異なる世代の人たちが話し合うということには残念ながらなっていません

ゲームは、その世代間の壁を破る、一つのきっかけになりうる。

地域に住む多くの人が一つところに集まり、ゲームをする。それが地域の安否確認につながり、交流につながり、情報交換につながる。

ゲームにはそういうことにつながる可能性があるなと思っています。

だからこそ、縁乃庭のような場所にまずゲームを置き、実績を作っていく。それにより、ノウハウを貯め、徐々に公民館のような場所にゲームを置きやすくする。

そのような前準備としても縁乃庭での活動を活かしていきたいと思っています。

ゲームを知る人が極端に少ない現状

ただ、そんな縁乃庭の活動、課題も多い。

一番大きなものは、ゲームを知っている人が運営側に少ないという現状。

縁乃庭に限らず、地域のコミュニティスペースの多くは、高齢者や専業主婦/主夫の人が中心になって回している。

そういうような人の中には「Switchを持っていて遊び方を知っている」という、世間一般的に言えば当たり前なことすら当たり前でないことが多い。

そんな中、運営の負荷分散ができない。万一自分が欠席した時にはSwitchの扱いができなくなってしまう。

今後、いろいろな人にSwitchを使ってもらおうという時も、自分の知識感覚の中でしか提案ができないというのは、今後の縁乃庭にとってもあまりいいことではありません。

ゲームは遊び方を知ってる人がそばにいないと楽しめない

これについては、以前、図書館総合展で、図書館とゲーム部の方にも聞いたことはあります。

www.libraryfair.jp

ゲームはやはり、遊び方を知っている人・楽しみ方を話せる人がそばにいないと楽しみづらい。

ここ最近は常連の子も多く、その子が年下の子に教えるということも多くなってきましたが、ただ、それでもそういうような子が来ていない時など、自分がゲームの操作の仕方や遊び方、楽しみ方を話していかなければいけないことはある。

そういう時に、ゲームの遊び方を知っている人、実際にゲームに遊んだことがある人。そんな人が少ないというのは、課題だなと感じています。

地域をみんなで支えていく。そのためには今の状態は正しいのだろうか?

SBCast.で色々な方の話を聞いていると、地域をみんなで支えていくという趣旨の言葉はちょくちょく聞きます。

ただ現状、地域を支えられる人は限られている。

平日昼間に動ける人、すなわち年金受給者や専業主婦の人。

もちろん、フリーランスや会社の社長など、時間に自由が利く人は地域に関わることもできる。

ただそれでも、その時間は経済的には損失でしかなく、金銭的社会的な安定を犠牲にして地域に関わるということしか現状できない。

地域をみんなで支えていく。そのような意志はあちこちから感じますが、この状況は果たしていいのだろうかと、ここ最近思います。

自分たちの居場所を作るため

地域にゲームをする人がいない。若い働き世代の人がいない。

それは自分のように時間を工面して地域に関わる人が気兼ねなく話せる場所がないということでもある。

その結果、若い人がせっかく時間を見つけても関わることができず、その結果、さらに若い人がいなくなる。

この負の循環は変えなければいけない。

自分たちが居られる場所、居心地のいい場所を作る。

そのためにも自分がまずはこのような場所で活動をして、居場所を確保して行く必要があるんだなと。ここ最近思っています。

*1:7月27日(木)は夏休みに入った後の初めての木曜日だったんですが、いつも子どもに向けた活動を主にしている方がお休みのため子ども向けの開放は行っていませんでした

*2:というのと、SwitchのJoy-Conスティックが壊れてうまく動かず、スティックをほとんど使わないこのゲーム以外はできない状況

*3:いちおう気をつければそれ以下のスペースでもプレイ自体は出来ますが、遊び方に制限が生まれますし、スポーツによっては目に見えてスコアが落ちます