高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

初心者の気持ちがわかる上級者なんているんだろうか

Facebookでみかけてちょっと気になったので。

プログラミングコーナーに行くと、いつもうんざりした気分になる。 何故ってこんなに入門書が溢れかえっているのに、何一つとして入門者向けの本が無いからだ。

日本人はなぜ入門者に厳しいのか?

わざわざ「日本人は」と書かれているのが気になりますね。日本人以外の事例がないので分かりませんが、日本人以外は初心者に厳しくないのでしょうか。

イラストの入門書だってそうだ。「入門」と書いてあるからといって、開いてみればデッサンや形のとり方を教える本などありはしない。 そう、日本の入門書とは「元々デキる人がリメディアルとして持っておく本」のことであり、「ビギナー向けのウェルカム本」ではないのである。

日本人はなぜ入門者に厳しいのか?

初心者のわからないポイントを指導していない(から日本の初心者向けの本はダメだ)ということなのかなーと思いますが、そもそも「初心者がどんなところでつまづくのか」ということが理解できている上級者 なんているんでしょうか。自分が色々な人に話を聞いている限り、その辺がしっかり理解できている人って、そうそういない気がするのですが。

もちろん上級者だって最初は初心者だったわけなんですが、本を書くような上級者が、そこに至るまでのステップって本当に「いつのまにか」で、「自分が右も左も分からなかったときの気持ちになる」というのはなかなか難しい。

自分も今でこそPC初心者や、プログラミング初心者の人達と色々話していてなんとなく「わからない人の気持ち」はわかるようになってきましたが、それをしっかり理解するには結構な経験が必要だと思います。

プログラミング初心者とパソコン・スマートフォン初心者のわからないところは一緒?

個人的には、プログラミング初心者とパソコン・スマートフォン初心者の躓く原因って、結構共通していると思っていて、しっかり世界の全てを見通せていないように感じています。

プログラミングの世界も、パソコン・スマートフォンの世界も、思った以上に広い。その世界を認識するのに最低限必要な「窓」が自分の中にない。だから、上級者が「当然このくらい理解できるでしょ」というところで躓く*1

これについては料理も家事もすべての分野で同じかもしれません。案外「できる」人は「わからない人がなんでわからないのか」を理解できない。「その空間を認識するのに最低限必要な窓がない」状態を想像できないから。

解像度が足りない

まさに、「解像度が足りない」というか。同じ世界を見ているはずだけど、同じ世界を同じ解像度で見られていない。だから初心者は初心者を脱せない。

初心者がその世界を見通すのに「必要十分な解像度を得る」ための技術を伝えられる本が書ければ、それが最高かもしれません。でもそれはそんなに簡単な話じゃない。少なくともその道のプロが、プロじゃない人の目線を獲得せずに書いた本で実現できるようなものじゃない のではないかなあ と。

まあ、書きたい気持ちはありますけどね、わたしも。まだまだ自分もそこまでできる技術がないなあ と感じています。

*1:そして上級者はそこで躓く初心者の気持ちが理解できないから、そういう初心者を助けられるような文章が書けない