高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

テクノロジー業界に感じる危機感

ここ最近、SIDE BEACH CITY.内外でプログラミングの講習を行う機会が増えてきました。

対象となっているのは、中学生から会社に入って間もない新入社員の方々。 SIDE BEACH CITY.で実施した講座については、SIDE BEACH CITY.のブログの方にもレポートを作成しています。

sbc.yokohama

このような講座で講師をやっていると、今時の若い人ってこういうこと考えるんだなぁ というのがわかると同時に今後のテクノロジー業界これで大丈夫かな、と思うこともあります。

テクノロジー業界に感じる不安

どこに不安を感じるかというと、まずはプログラミングがプログラマだけのものになっているということ。

受講生の方々はそれ以前にプログラミングに触れていないという方も少なくないのですが、そのような人が「プログラマって何をしてるのか」というのを知らない。

わたしは常々、プログラミングというものは料理のようなものだという話をしています。

しかし、料理であれば、プロのシェフ以外でも普通に料理はするし、しない人であっても料理がどのようなものかは大体知ってるはず。

ただ、プログラミングはそうじゃない。

知ってる人はよく知っているけれども、知らない人は全く知らない。たとえごはんを炊くとか、レンジでチンするだけとか、その程度の料理に相当するものであってもできないし、やる発想も起こらない。

そんな状況で、果たしてプログラマーになろうという人が今後このまま増えていくのだろうかという不安。

コンピューター空間の解像度を上げる方法が少ない

それともう一つは、コンピューター空間の解像度を上げる方法があまりないということ。

プログラミングをしていると特に思うのですが、コンピューターというのは画面に映ってるものだけが全てではなく、中でいろいろなものが動いて、お互いに作用している。

それはあたかもコンピューターの向こう側に三次元的な空間が広がっていて、それぞれが歯車でつながっているようなもの。

この三次元的な広がりを全く認識できず、二次元的にしか見ていない方もたくさんいます。

特にテクノロジー関係の会社でこれから仕事をする新入社員の方などは、今まで文系分野でひたすら勉強してきて、コンピューターを二次元的にしか見ていないという人もたくさんいます。 プログラマーのニーズは増えていく。

プログラミングが好きな人、プログラミングを専門に勉強した人、それだけでは足りないぐらいに、プログラマの需要は増えてくる。

sbc.yokohama

以前SBCast.でそのような話がされてましたが、実際に新入社員向けに講座をするようになって、それって本当なんだな ということをひしひしと感じます。

そういうような人に新しい空間の視野を得てもらう。それは、プログラマー向けの講座だけではなかなか難しい。

まだまだコンピューターの中を三次元的に知覚できる人が決して多いわけではないのに、すべてが知覚できる前提で成り立っている。こんな状況で果たしてどれだけの人がプログラマになれるんだろうか という不安。

世代が変われば状況は変わるのか?

今の小中学校では、GIGAスクール構想などが展開されている。その子どもたちが大人になる頃には自然とこの状況は改善されていく。

そうなんでしょうか?

以前stand.fmでもそのような話はしましたが、プログラミングについて主体的に理解ができる人、コンピューターの世界を三次元的に知覚できる人、その割合は数年経ってもそこまでは変わらないのではないかという不安があります。

stand.fm

それは何より、GIGAスクール構想対象の学生たちが、ここで学んだ技術をしっかり飲み込むための仕組みがないから。

もちろん仕組みなんかなくても勝手に真髄を掴んで勝手に成長できる人たちはたくさんいます。

ただそこから漏れてしまう人もそれ相応にいる。だから割合こそ変われど、そこまで大きくは変わらないとい うのが自分の意見。

わかってる人目線で作られたコンテンツ

そしてもう一つ不安に感じるのは、プログラマが勉強するための教材や環境が、分かっている人の理論で作られているということ。

わかってる人側の理論で作られているから、わからない人がつまずいたときに手がかりになる情報が足りない。

結局、わかってる人を連れてきて一緒に学べる人だったらいいけど、そうでない時には充分なサポートが得られず、結局十分にプログラミングができるようになれない。

子ども向けの家具を大人向けの寸法で作っても使い物にならないように、これだけではプログラミングを分からない人が解像度を上げるための手段にはならない。

そんな問題が今のコンテンツにあるのではないか?

「自分たちってデジタルネイティブだよね?」という言葉

とあるポッドキャストで40代ぐらいの人が、「自分たちってデジタルネイティブですよね?」というふうに言っていたのを思い出します。

確かに自分たちの世代は、ITを黎明期から見ていて、成長してきた過程も、成長してきた経緯も、ある程度以上に知っている。だからどういうところが便利なのか、どういうところに気をつけなければいけないのか、というのもたいてい分かる。

だから、ある意味この言葉って正しいのではないかと思っています。

ただ、肝心なのはそこからで、自分たちが上記の理由からデジタルネイティブだとすると、自分たち以外の世代の人はデジタルネイティブ以上に活躍できないという可能性も出てくる。

だからこそ、自分たちが環境を維持して行くために、真面目に取り組んでいかないといけない。

ただ問題の大きさの割には、この課題を見ている人が思った以上に少ないのではないか。

これからどんどん、ITに馴染んでいく人は減っていく、一線を退いていく。

そんな時、IT業界は果たして今のレベルを保てているのでしょうか?

そう思うと、テクノロジー業界はこれから徐々に衰退していく。そう思えてならないのです。