高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

無料サービスとのつきあい方について

先日Twitterでこんな話があったので。

togetter.com

個人的には、このまとめのコメントにも書いてますが、「月額/年額ではないものについては、良い・継続的に使いたい と判断したものは積極的に払う」スタンスでいます。

わたし、スマートフォンではそもそもゲームしない(ゲームするならゲーム機だろう派)けど、お金払えるものについてはなるべくお金払ってるな。まあ、月額とか年額とか言われると躊躇するけど、大半は三桁代だし、いくら貧乏な自分でも十分に払える。DSゲームも無料+課金制増えてきたけど、無(理のない)課金で結構やってるな。とくに任天堂系の課金ゲームは、「5000円くらいで課金が打ち止めになってる(=パッケージ価格相当?)」なので、「楽しんだぶんはお金払わなくちゃ!」という気になってくる。

課金した人と、無課金の人の考え方の違い。「広告を消すことにコーヒー一杯の価値があると思う人はさっさと消すべき。」 - Togetterまとめ

まあ、アプリの料金といったって大抵ラーメン一杯より安いわけで、いくらお金がない今の自分だって払える。

それに、まがなりにもIT業界の端っこの人、いいものにはちゃんとお金を払わないとと思うので(と、自分は思っているのですが、その辺の行動を見ている親ですら結構その辺の感覚は違うようで。そういうのって案外当事者になってみないと分かんないんだろうなあ と)。

わたしのゲーム/アプリとお金の考え方

売り切りとゲーム/アプリとお金

売りきりのゲームやアプリについては、自分は個人的に上の通り。売りきりの物については基本的に、販売価格=ゲームの(金銭的)価値だと思うので、「おお、これは良い」とか「継続して使おう」と思ったら、なるべく早めにお金を払うようにしています。
まあ、基本的にはこの辺のアプリは、「無料試用版がある有料アプリ」だと思っています。だから、なるべく早めに払う。海外のアプリであろうが、国内のアプリであろうが同じ*1

とはいえ、こちらもお金に余裕がある状況ではないので、基本的に月額/年額のものについてはよほどのことがない限り払いません(払えません)。


ちょっと面白いのは、最近ニンテンドーDSのゲームにある「アイテム課金だけど、課金制限がだいたい5000円程度で打ち止め*2」というゲーム。個人的には「後払い」の一種だと思うので、「楽しんだぶんだけ払わなくちゃ!」という気になりますね。

アイテム課金ゲームとお金

さて。最近のゲームは基本無料だけど、アイテムの入手にお金がかかるケースもあります。ゲーム以外だとLINEなんかもそうですね。無料だけどお金を追加で払う選択肢があるもの。

個人的にはこういうの、逆に払うタイミングを見失ってしまって結局払っていない というのが多いですね(Nexus Playerなどでやっているゲームでなんだかんだお金を払っていないというものもあったりする)。そもそもアイテムは要らないんだよ。という。


まあ、本来であればこういうのもお金を払った方がいいのかも とは思いますが、あまり無理しないでいいのかなー と思っています。結局そういう(完全に無料で使い、一切課金しない人もいる、という)ビジネスモデルなので と思っています。

じゃあ、無料でサービスを使うのは悪か?

それから、インターネットには無料で使えるサービスがたくさんありますね。DropboxGoogleのサービス、EvernoteやSlack、Skypeなどなど。これらを無料で使うのは、果たして悪いことか、不要でもなるべく有料プランを使うべきなのか?


個人的には、これも「無理しなくていい」でいいと思っています。まあ、月額払いだったり、年額だったりしますから、単純にそんなにお金は払えないというのもありますが、やっぱりこれも、「そういうビジネスモデルだから」というものだと思っています。

blogs.itmedia.co.jp

ちょっと古い記事ですがこんなのがありました(まあこの辺の変化は激しいので、この比率はアテにならないかもしれませんが)。やはり有料ユーザーを増やすためにもある程度無料ユーザーを増やさないといけないんじゃないかなーと思います。サービスによってはその無料ユーザーの多さを実績として宣伝に使っているかもしれませんし、広告で稼ぐ前提になっているかもしれません。どちらにしろやっぱり、無料ユーザーがいなければ、有料ユーザーがそもそも存在しない それがこういうフリーミアムモデルなんじゃないかなと。


だから、サービスが無料であることには感謝しつつも、使っていて良いんじゃないかなあ と。その代わりといってはなんですが、何かのアンケートがあれば積極的に協力したり、良いサービスだったら人にオススメしたりしていれば、それでよいのではないかな と。

無料アプリを使う上での心構え

さて、話を戻して。元記事でもう一つ話題になっていた、無料アプリユーザーの考え方について

地域コミュニティカフェとかに出入りしていると、こういうコンテンツにお金払わない人って、ネットの世界が現実の延長線上にある認識がない。コンテンツ作ってるのは人間という認識もなければ、そもそもネットの向こうに人がいることすら認識していないこともある。 「価値のあるものには金を払うのが人間のルールではないのか」と伝えることも大事だと思うけど、ネットの向こう側がどうなってるのか理解してもらうことも、案外収益化云々に関わってくるんじゃないかなーとか思ったりする。

課金した人と、無課金の人の考え方の違い。「広告を消すことにコーヒー一杯の価値があると思う人はさっさと消すべき。」 - Togetterまとめ

自分も常々感じていますが、地域のコミュニティカフェの人は、ネットの向こう側の様子のことをわかっていないこともある。なので、向こう側にいるのが人である という実感がまったくないという人も多い(ネットの向こう側から来たといってもいい、わたしのような人がいる、ふらっとステーション・とつかですら、です)。

もちろんそれでお金を払ってくれる人ばかりではないのは確かですが、そういう人に「向こう側はこういう世界で、どういう人たちがいて、どういう人がものを作っています」と言うことを知らせることも、こういった「無料だけど売り切り有料コンテンツがあるアプリ」の収益化に繋がりうるのではないか などと考えています。

あとは、結構多いのが、お金を払うすべを持っていない人。とくに自分のパソコン・タブレット教室などに参加される方は高齢者・主婦が多く、クレジットカードを持っていなかったり、使いたくなかったりする方が多い*3。POSAカードの存在などを教えると、「なんとそんなものがあったのか!」と驚く方も、少なくありません。


なので、元記事のコメントに多い「アプリには価値があり、それに対価を支払うのは当然だ。払わないのは乞食なのか」とか、お金を払わない人を非難する気持ちもまあわかるのですが、そういう人にお金の払い方や、どんな人がアプリを作っているのか、知らせに行くことも大事なのではないかなあ と、思うのです。主にパワーユーザーや技術者で構成されるTogetterTwitter(の一部クラスタ)などのような場所では「そんな必要ないだろw」と思われるかもしれませんが、実際そういうことを知れば、お金を払う事もあり得る と言う人は「年金生活だったり定年すぎてたりでそれほど余剰金がない人にすら」いるのです。


もちろん、元記事コメントのように「情報にお金を払うつもりなど毛頭ない」という人や「そもそもゲームは無料だと思ってる」ような人もいるであろうとは思いますが、そういう人をただ毛嫌いするだけでなく、「なんでそう思うのか」「どうやればお金を払うという選択肢を(その人に)持たせることができるのか」というのを考えてみるのも必要なのではないかな と思うのです。

そして、そのために何かをすることこそ、ひょっとしたらそういった「アプリにお金を払う文化を持つ人」のなすべき事なのかもしれません。

*1:とはいえ、翻訳が酷いものなどについては考え直してしまう場合もあります。個人的には変な翻訳をするくらいなら英語のまま使いたいですね

*2:そこまで課金したら、課金アイテムが無制限に利用できるようになる

*3:そもそも地域にはクレジットカードが必須な文化があまりないので、持っていても使い方を知らない なんて人もいたりします