このブログはまちづくり Advent Calendar 2023 - Adventarの23日目の記事です。
わたしは今まで15年ぐらい地域の活動に関わってきました。
もともとITコミュニティをメインに関わっていた自分ではありますが、本職でプログラミングをしているわけでは無いのもあり、どことなく居づらさというものを感じていました。
IT勉強会の中心地と言えば関東の場合、東京。だからこそ、東京までいかなくても、横浜でもう少し楽しく過ごすことができないかということで、地域に場所を探していました。
地域コミュニティにかかわりはじめた頃
活動をはじめた当時、地域コミュニティでITの話というのはろくにできなかった*1。
プログラミング系の仕事をしている人もいるにはいましたが、あまり好きでプログラミングをやっているというような人ではなく、IT勉強会にいるような人たちのように、ITの話題で楽しく話をしたり、失敗談を笑ったりみたいなことができる雰囲気はありませんでした。
それ以外の人はとなると、プログラミングはおろか、パソコンの使用もほとんどなく、ろくにデジタルな話などできないという場合がほとんど。
せめてもう少し、ITな話ができる場を作れればということで、関わり始めたのが地域。
今の地域にプログラマの居場所は無い
プログラマがここにいていいという場所を作る。
確かにプログラマとはいっても、地域コミュニティにいて存在を否定されることはない。
ただ、話せるネタは大幅に限られるし、いつもの話題は全く通用しない。
いつもの場所と同じトーンで話しかけようとすると、「そんな難しいこと言われてもわかんないよ」と言われて会話が終了してしまったり、「そんなのあなただけでしょ」と突き放されてしまったり。
まさに無意識の追い出し行為。誰も追い出してはいないんだけど、椅子を用意してもらえない。それは実質追い出しだよね?そんな状況で、結局「あ、ここは自分の居場所ではないな」ということになってしまう。
地域コミュニティの中核
現在の地域コミュニティは、結局仕事が生活の中心にない人を中心に回っている。
定年していて、年金で生活をしている人。結婚していて家庭の主たる収入源でない人*2。
それ以外の人は、結局地域にかかわらない。
それは時間的にもそうだし、文化的にもそう。
あまりにも仕事をしている人たちと文化が違いすぎて、今更入り込めない。
地域は一部の「選ばれし者」が回すもの?
今期放送のアニメ、キボウノチカラ オトナプリキュア`23では、「地域のことって誰か偉い人がするもんじゃないの?」というようなセリフがありました。発言者はだいたい20代中盤ということで、若い人のセリフと見ていいのかなと思っています。
世間一般からする今の地域ってそうなんだろうと思います。
仕事も終わり、社会の第一線から離れ、そんな人たちが中心になって回す社会。
もちろん子育て中のお母さんであったり、その子どもであったり。地域にかかわっている人は高齢者だけではないけれど、やはり結局中心となっているのは高齢者。それが今の地域。
そして仮にちょっと暇ができて関われる余裕ができたとなってもなかなか、今仕事をしている人たちが入れないのが地域。
たとえば使っているツールや会話の手段。
地域コミュニティでは基本的に、連絡は対面。LINEグループやSlackなどを使っているコミュニティもないわけではないものの、結局会話の中心は対面になってしまう。
オンラインには結論だけが流れる。結果、わずかな時間でちょこっとかかわれそうという人にはなかなか入り込めない空間ができてしまう。会おうと思えば会える距離の人しか、会おうと思えば会える時間帯に活動している人しか、関われない。それが現状の地域かな。
社会は回る。お互いの社会を見ないまま。
地域コミュニティの社会と、ビジネスコミュニティの社会には全く違う空気が流れている。お互いに関わることは基本的にない。
でも、この二つの社会が関わらなくてよいかというと、そういうことはないと思っています。
若い人が仕事以外でのコミュニティを欲した時に。
子育てや就職などライフステージの変化によって、仕事以外で関わる場を必要とした時に。
災害などで既存のコミュニティにアクセスする手段を失った時に。
なんだかんだ言ってコミュニティが豊富にあるIT界隈であればともかく、そうでない人はなかなか関われるような場がなかったりする。
そんなときに、仕事と関係なく、気軽に関われる場が地域にあること。それは重要ではないか?
現状地域コミュニティは若い人にとってのそれではない。関わるのにあまりにも莫大なコストがかかるし、一人の人が負わなければいけない作業も責任もとても多い。その割には何一つ権利は得られない。それが今の地域コミュニティ。
地域コミュニティとそれ以外の溝を埋める
わたしはSIDE BEACH CITY.の理事として、この地域コミュニティとそれ以外のコミュニティの溝を埋められないかと思っています。
地域がこれから数年後も、数あるコミュニティの一つとして機能し続けるために。
今、自分たちが動くことが必要なのではないかなと思っています。