高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

スマートフォンは人を幸せにしたか

最近ふらっとステーション・とつかでやってるふらっとパソコン道場や、その他地域関係のイベントで、スマートフォンなどのデジタル機器についての相談を受ける機会がちょくちょくあります。

そこでときどき思うのは、「スマートフォンは、この人たちを本当に幸せにできているのか」ということ。

というのも、こういう場に来てスマートフォンの質問をしてくる人の多くが、電話とメールくらいしかしていない。LINEを使っているという人もいるのですが、ちょっと聞いた感じだとそもそも文字チャットとしてくらいしか使っていないので、それってわざわざスマートフォンにしてまですることのことなの という感じ。

スマートフォンはやはり、今までのケータイ――ガラケーに比べると月々の料金も結構高い*1。その高くなった料金分のメリットを享受できているのか?実はできていないのに、ただ通信料金が高くなって困っている人が結構いるんじゃないのか?という気がします。

スマートフォンになって楽になるのは、自分ではなく周りの人

実際親がガラケーのみ→ガラケータブレットスマートフォンタブレットになった身からすると、近親者がスマートフォンに機種変更してくれると、自分は助かるんですよね。

ネットで普段利用しているのと同じサービスで連絡を取り合えるようになるので、いちいちいろんなアプリを切り替えたりせずに済むし、場合によっては料金的にもかなり節約ができる*2

また、(お互いに利用方法を理解できているという前提が必要になりますが)うまくいけばタスク管理やその他カレンダー・グループウェアまで全部共有できるようになり、生活コストがかなり減らせる。 こうやって見ると、つくづく、「本人がスマートフォンにすることによって助かるのは、実は本人ではなく周りの人」なんだなあと思います。

実際、そこまで利用している人はいるのか

ただ、聞いている感じそこまでスマートフォンを活用しているとか、周りの人が活用しているという話はあまり聞かないし、むしろ「周りの人もあんまりスマートフォン使えない」とか、「(子どもや孫とは離れてるので)電話くらいしかしない」という話を結構聞いたりします*3。その状態でスマートフォンにする必要が、果たしてあるのかな と思うことが割とよくあります。

実はもっと良い選択肢があるのでは

その他の人ともいろいろ話をしていて、「この人、スマートフォンよりもっといい選択肢があるのではないか」ということもある。 「ガラケータブレット」とか、「ガラケー+ゲーム機」とか「ガラケー+パソコン」とか、あるいは「ガラケーだけでいい」とか。あるいは最近出てきているAndroid搭載のガラケーでも良いかもしれない。

果たしてスマートフォンは、この人や周りの人を幸せにできているのか このスマートフォンは、果たしてこの人にあっているのか?と思うことがあります。

ちゃんと自分で「判断」できる情報を

結果、スマートフォンも、タブレットも選択しない という選択だって良いと思います。

無理矢理人にスマートフォンを持たせても、使う気がなければ維持費が無駄に高い電話を持つことになるだけですし、タブレットを持たせても、使わなければただのレンガと一緒です*4

結局、本人が、「こういう理由でわたしはスマートフォンを使う」という判断をしないと意味が無い。そして判断した結果スマートフォンがやはり要らないのであれば、ガラケーを選ぶという選択肢も今は十分にアリだと思っています。ただ、判断もしていないのに、「なんとなく」でスマートフォンを選ぶことだけは、やめて欲しいなあ と思っています*5

そして、そのための情報発信は、もっともっと必要だろうなあと思います。

商業的に見ると、スマートフォンの方が通信事業者自体も、アプリやOSメーカーも儲かるし、自分のように講演・講師やったりしてる人もおこぼれがもらえるチャンスがあるしで良いこと尽くめではあると思いますが、あくまで利用者が幸せにならなければ意味が無いですし*6。本当はこういう情報を通信事業者ともメーカーとも関係ない第三者機関がなるべく色んな人に届きやすい方法で発信するしかないと思いますが、それもそんなにない感じがします*7

この辺はやはり、スマートフォンを持っていて、通信事業者やメーカーの本隊とあまり関係の無い自分たちがなんとかしていかなきゃいけないんだろうなあ と思うところです。

*1:もちろんMVNOSIMカードを使うなどでいくらでも維持費は下げられますが、それははじめての人にお勧めするようなもんじゃないし、初期費用はどちらにせよ安くならないので…

*2:どうがんばっても定額範囲内にならないSMSや、MVNOにするととにかく高くなりがちな音声通話を使わなくて済むようになるので

*3:もちろん実は本人が気付いていないだけで周りの人は助かっているという可能性は確かにあるのですが

*4:必要かもということでタブレットを持っている人が知り合いにいますが、結局ほとんど電源を切っているので連絡がつかず、連絡のつきやすさという点では何一つ変わらなかった なんて例も実際に見ました

*5:とはいえ、自分に相談してくるような人は大抵もうスマートフォンを買っちゃってたりするので、どうしようもないのですが

*6:それに利用者がある程度スマートフォンの利用に幸せを見いだしてもらわない限り、少なくともアプリメーカーや講演・講師やってる人は儲かりません

*7:まあ、各種スマートフォンレビューサイトがいろいろ情報発信しているのは知っていますし、一時自分もそちらを紹介していたのですが、大抵はビギナー向け情報も上級者向け情報も一緒くたに発信しているし、ニュースサイトの体をとっている以上基礎の情報は流れてしまうし、なかなかおすすめしづらいのですよね