高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

パソコン初心者は何を買う?

そういえばTwitterで話題にしてたので。

地域で色々やっていると、時々ある程度パソコンに詳しい人からも相談を受けることがあります。Windows Update(聞いている内容からして、Anniversary Updateのインストール)でパソコンが動かなくなり、メーカーに相談しても解決しないとか、リカバリディスクを使ってWindows 8まで戻したとか。

Anniversary Updateなどの大型更新では割とがっつりOSの中身も変わるでしょうし、Surfaceや海外製のあまりカスタマイズされていないパソコンならともかく、国産のがっつり追加機能やソフトウェアが入ってるパソコンだと、今回のような大型アップデート適用時に動かなくなるものもあるのでしょう。なんかAndroidでもこんな話良く聞いた気がするのですが…。

結局、初心者は何を買うべきなのか。

特にパソコンにそれほど詳しくない方は、困ったときのユーザーサポートをアテにして国産のパソコンを買うケースが多いように感じます。しかし最近、それは本当に正しい選択なのかどうか、疑問に思うときがあります。

大型アップデートの問題

まず一つは、今回のような大型アップデート適用時の問題。国産のパソコンには、メーカーがよかれと思って入れた利便性向上のためのソフトウェアや、独自拡張機能のハードウェアやドライバが結構詰まれています(まあ、大なり小なりどんなパソコンにも拡張はあると思いますが)。Windows 10が今後大型アップデートを繰り返していくにあたり、これらは障害となる可能性が高いということ。

Windows 10は、先のAnniversary Updateもそうですが、定期的に大型アップデートが行われるOSです。ちょうどおととい10月26日 水曜日にも、Creators Updateのリリースが発表されました。

news.mynavi.jp

いくら「Windows 10対応」をうたって販売されているパソコンであっても、これらのアップデートを繰り返すうちに、Windows 10の機能が上手く使えなくなったり、不具合が起こることもあり得ます。海外の比較的ノーカスタマイズなパソコンですらこのようなリスクがあるのに、国産のカスタマイズ多めのパソコンではこの可能性はかなり高いのではないか、そしてそのとき、ユーザーサポートに解決できることはないのではないか というのが一つです。

質問するときの問題

そしてもう一つは、パソコン道場やパソコン教室をやっていて、そのメーカー独自のソフトに関する質問や相談を受けても、お答えできないこと。

本人にとってはそのパソコンしかパソコンはないという場合が多く、その場合だと、そもそも「そのソフトがパソコン独自のものなのかどうか」すらわからないというケースは少なくありません。

その状態でパソコンの相談をはじめると、どこかおかしな話になってしまうなんてことが多い。

あと、単純に高い

最後にまあ、単純に高いこともあります。

まあ、安心を買うつもりで国産のパソコンを買いたくなる気持ちはとてもわかるのですが、正直価格に見合うサポートをうけられているのかどうか、ちょっと疑問です。とくに今回のようなアップデートに起因する障害となると、メーカーとしては答えようがない部分も多いようですし。

あとはまあ、実際1~10まで国内企業だけで製造をしている会社がいくつあるのかって話もありますね。つい先日も富士通のパソコン部門とLenovoが提携を検討しているなんて話がありましたし。

www.itmedia.co.jp

個人的なおすすめは、欧米系のパソコン

個人的には、HPやDELLなど欧米系メーカーの、比較的カスタマイズの少ないパソコンのほうがいいのではないかと思ってしまいます。

たしかに国産のパソコンに比べればサポートも手厚くはないかもしれませんが、素のWindowsに近いぶんアップデート時に不整合が起こりづらいし、そもそも困ったときに相談できる人がいるんならサポートそんなに大事じゃないでしょ って気もします(まあ、週1で相談することがあるとかになると、話は別でしょうが…)。同じ理由で国産ならマウスコンピュータなどもいいのかもしれません。

個人的には、メーカーの独自アプリや独自機能を使ってやりたいことをやっていけるのは「困ったときに相談できる相手がメーカー以外おらず、アップデートとも完全に無縁の世界で過ごしていられる」という人だけだと思っています。そして今の世の中、少なくとも個人においてはそんな人はいないと思っています。Windows 10である以上定期的なアップデートと無縁ではありませんし。

ところでスマートフォン

こういうことを書いていると、スマートフォンのことが頭をよぎって仕方がありません。Androidも、Windowsと同じくいろいろなメーカーが自社の端末にOSを入れて販売しています。

ただ、こちらがある意味ましなのは、Windowsと比べると「アップデートが少ないか、そもそもない」ことかなと。仮にアップデートがあってもメーカーと携帯電話会社の念入りなチェックが入りますので、パソコンに比べれば圧倒的に安定していると考えて良いと思っています。

ただその逆に、常に最新のOSを使いたいと言う人にはなにかと煙たがられるのがこの仕組みなのかな と。2016年10月現在のAndroid OSは7.1ですが、未だに6.0だったり、なかには4.4だったりする端末が平気で売られていたりする。さすがに個人的には、未だに4.4の端末を中古などではなく新品として販売するとかどうなの?という気もするのですが。

ただ、Androidはある種そういうものだと割り切って使わないといけないのかな と思っています。「原則購入時のOSバージョンのままで、アップデートされることはない。されたとしたらそれは稀な出来事」くらいに考えるのが良いのかな と。

それでは満足できないという人の為に、Nexusシリーズがあり、Pixelシリーズがあり、Android Oneブランドがあるわけで。それ以外の端末を使っている人が最新のOSに変えたいときは「定期的に買い換える」以外方法はないのかなあ と。

OSバージョンアップを阻むものは、メーカーカスタマイズ

Androidの(特に国内で流通している)スマートフォンのバージョンアップを阻んでいる要因の一つに、携帯電話会社やメーカーのアプリがあると聞きます。これらが多いため、新しいOSバージョンを適用できないという話。

結局Windowsも同じ状況になりつつあるのかもしれません。

メーカーの独自アプリやドライバが多いため、新しいOSバージョンを適用できなかったり、できたとして不都合が残ったり。しかもこちらはAndroidと違って「新しいバージョンを選択しない」という権利はありません。

結局、パソコン初心者で「ドライバやハードウェアに問題が起こったときに、サポートの力を借りてでも対応できるかどうか不安」と言う人は、そもそも国産のパソコンは買わずに、なるべくカスタマイズの少ない欧米系メーカーのパソコンやSurfaceシリーズなどを購入するのが一番良いのかな などと最近感じています。