さて、タブレット教室をやるということで、初心者にオススメできるタブレットプラットフォームはどれなのか とお店で商品を見ながら考えていました。AndroidにiPad、Windowsタブレット、とりあえず全てのプラットフォーム端末を持った今、改めて考えている。
よく、「iPadがシンプル、(初心者向けには)一番良い」という話をする人は見かけるのですが、そのときの理由として聞くのは「困ったらホームボタンを押せば良い」というもの。
ハードボタンが一個しかない というのは、特徴的と言えば特徴的なのですが、正直一発でホームに戻るボタンはAndroidにもWindowsタブレットにもある(まあ、Windowsタブレットの場合はスタート画面とアクティブなアプリを行き来するボタンなので、若干違いますが)し、そもそもホームボタン押してるだけでは何も出来ない。
では、Androidかというと、Androidは汎用性が高すぎて理解が難しい「共有」機能や、複雑なマルチタスクの仕組み、いつの間にか起動して端末の動作を鈍くするバックグラウンドアプリなど、熟練している人でも理解しづらい仕組みが多い(ただ、それらについては理解しなくても案外使えたりする)。
本当のところ、どれが一番分かりやすいのか?と、考えていました。
とりあえず、いくつかまとめてみました。
アプリケーション内で画面を遡る
Android
システムバーの戻るキーにより前の画面に戻れる。アプリによる動作の上書きが可能(2回押すとアプリを終了したり、戻るキーが無効になる画面がある)
iPad
アプリタイトルバーの下にある前の画面ボタン(表記はアプリに依存)を押す。
メニューの配置
Android
アプリ上部にあるアクションバーによりほとんど全ての操作にアクセス出来る。リストビューの項目ロングタップのメニューなどもありますが、これはガイドラインにも「ユーザーは気付かない可能性がある」と書かれているし、基本的に画面に表示されているボタンとアクションバーの項目だけで全ての操作ができると言っても良さそう。
また、アクションバーのボタンは、長押しするとその機能名が表示される。
iPad
一般的に画面の上部または下部にあるボタンから各機能にアクセス出来る。ようですが、その統一性がいまいち自分にはわからなかった。
アプリ起動中の画面表示
マルチユーザー
Android
Android4.2以降はマルチユーザーが、Android4.3以降は制限ユーザーが使える(一部タブレットでは機能自体がない。また、通話が可能なタブレットではCTS上の制限でマルチユーザーが使えない)
iPad
ない
外部機器との連携
USB外部機器などはとりあえずおいといて、主にWi-Fiでつなぐ外部機器を想定。
メーカー・日本独自機能
総評
これについてはなんとも言えません。かなり好みの問題かなと思います。ただ、人によってはこれが決定的な問題なってくるかもしれません。
iPadには防水カバーもあるとはいえ、カバーがある状態で屋外に持って出るのは難しいですし、あまり脱着がめんどくさいものになったりすると気軽に使うのは難しそう。
画面ロック
Android
画面ON時のロックを数字四桁のPIN、パスワード、指ロックパターンの三種類から選択できるので、画面を触ったときのセキュリティは気軽にある程度向上できる。
また、第三者のアプリによるロックも実装可能になっているため、アプリごとに簡易ロックをかけるようなアプリも出回っている。
iPad
画面ON時のパスワードには、数字四桁のPINかパスワードを設定出来る。
アプリのダウンロード/インストール
Android
基本的にはPlayストアだが、dマーケットやauマーケット、Kindleストアなど色々な場所でアプリがダウンロード可能。場所によっては「提供元不明のアプリ」のインストールを推奨する場所もあるなどあまり安心は出来ない。
また、Playストアには審査がないため、セキュリティ的に危険なアプリが紛れ込むことが多く、ユーザーは自衛をする必要がある。
支払いは、マーケットによって異なるが、Playストアの場合はクレジットカードか、店頭販売のギフトカード、あるいは携帯事業者のキャリア決済。
アプリの購入時は、毎度専用画面にて支払い方法を選択する画面が出る。
iPad
App Storeのみ。アプリの出品には審査があるため、ウィルスなどセキュリティ的な危険性の高いアプリが紛れ込む可能性は低いが、審査をすり抜けてしまったアプリや、使いようによっては危険なアプリもあるため、自衛は必要。
支払いはクレジットカードか店頭販売のギフトカード。クレジットカード登録をする場合は、初回のみAppleID登録時に設定した「秘密の質問」に二つ答える必要がある。
アプリの購入時にはAppleIDのパスワードを入力する必要があるが、一度パスワードを入力すると、次にApp Storeを再起動するまではパスワードの入力が不要。
Windowsタブレット
Windowsアプリストアのみ。アプリの出品には審査があるため、セキュリティ的な危険性の高いアプリが紛れ込む可能性はほぼない(API的にも悪さは出来ない作りになっている*1 )
支払いはクレジットカードのみ(ギフトカードは日本未発売)。
アプリ購入時は「購入」ボタン押下後、「確認」ボタンで処理を確定する必要がある。ほとんどの有料アプリは、事前に「試す」ことが出来る。
総評
アプリの利用について自衛が必要なのは、どんな安全なアプリ・サービスも利用方法によってはセキュリティリスクを生みうるので、どのタブレットでも当然変わらず。むしろ「iPadはウィルスが入らないから安全!」と思ってユーザーが警戒を緩めてしまうことを考えるとiPadが若干弱いと言えるかもしれません。
また、以前Twitterでも文句を言っていましたが、iPadの「一回パスワードを入力してアプリを購入すると、次にApp Storeを再起動するまではパスワード入力不要(=価格表示をタップするだけで購入完了)」と言う動作はあまりよろしくないのではないか と思っています。注意すれば済む話ではあるのですが・・・。
クレジットカード登録時に「秘密の質問」に答えさせる必要があるというのも気になります。秘密の質問はどんな場面でバレてしまうかわからないものですし。ギフトカードで購入するだけなら質問には答えなくて良いのかな?
AndroidとWindowsについては、基本的にはどちらも同じくらいかなとは思いますが、「気軽に試用し、気に入ったら購入」というパスが踏めるWindowsタブレットのほうが、個人的には好み(Androidでも試用版を出しているアプリは多いですが、「どうやって有料版にステップアップするか」の仕組みが統一されておらずわかりづらい)。ただ、ギフトカードが日本発売されてないのが弱いかなあ・・・。
ホーム画面
マルチタスク
Android
いつのまにかマルチタスクになっている。シングルタスクでAndroidを使う という状態がまずない。
バックグラウンドタスクで出来ることに制限がほとんどないため、フォアグラウンドアプリの動作に影響を与えてしまうこともある。
タブレットのマルチタスクキーを押下することでいつでもアプリを切り替えできる。また、その画面でアプリをスワイプすると、アプリを一覧から消すことが出来る(が、消したところでアプリが終了するわけではない)
iPad
マルチタスクにはなるが、バックグラウンドタスクが出来ることに制限があるため、フォアグラウンドアプリの動作に影響を与えることはない。
ホームボタンをダブルタッチでいつでもアプリを切り替えできる。その画面でアプリをスワイプするとアプリを強制終了できる。
共有
全体的な総評
とりあえず、初心者が使うなら と言う観点で○×で評価すると(まあ、そんなもんで評価できるものではないのですが)、こんな感じかな。
Android | iPad | Windowsタブレット | |
---|---|---|---|
アプリケーション内で画面を遡る | ○ | ○ | △ |
メニューの配置 | ○ | × | △ |
アプリ起動中の画面表示 | △ | △ | ○ |
マルチユーザー | ○ | × | △ |
外部機器との連携 | ○ | × | △ |
メーカー・日本独自機能 | ○ | × | △ |
セキュリティ | △ | × | ○ |
アプリのダウンロード/インストール | ○ | × | △ |
ホーム画面 | × | ○ | △ |
マルチタスク | × | ○ | ○ |
共有 | × | ○ | △ |
ちょっとiPadに×が多い気がする。まあ以前書いたとおり、iPadは順応性の高い若い人向けのデバイス なのかな?と思いますので、今回のタブレット教室のような比較的高齢者の多いイベントで進めるなら難しいのかな・・・ と。
共有やホーム画面など、Androidには複雑さ故「初心者にオススメしづらいな・・・」という側面も多いのですが、正直母などを見ていると、案外「気にしない」人が多いのかもしれない。
とくに使い始めて直ぐの人が起動するアプリは、2,3種類しかなかったりします。
故に、マルチタスク故の動作速度低下や共有の複雑さに面食らうことは、案外ないのかもしれない。
そういう面では、キャリアの束縛やプリインアプリによる制約が多いスマートフォンならともかく、キャリアと無関係の選択肢が比較的多いタブレットであれば、Androidも良いのかな と。
SIMフリータブレットが国内の量販店でも普通に買えますし、MVNOのSIMカードを接続すれば3G通信できる端末もありますし(MVNOカードの手配くらいであれば、教室で案内することも可能じゃないかな と思います)。
ビジネスユースも視野に入れると、Windowsタブレットかな。正直地域活動をやってる人(Wordで会報誌を書いたり、Excelで簡単な料金計算をしたり)なんかにはそのほうがおすすめかな と思うのですが、まあ、今回はそういう人対象ではないので。
もちろん、自分の思いつきなのでこんな考え方で良いのかどうかはわかりませんし、人によっても分かれてくると思います。