- 作者: 内田康夫,杉野宣雄
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/09/25
- メディア: 文庫
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読み終わりました。上下巻 さらにどちらもなかなかのページ数があり、とても長いお話なのですが、後半は特に夢中になって読み進めました。前半、浅見さんが出てくるまではちょっと退屈かもしれません(お堅い話が多いので…)が、そこで投げずに最後まで読んでみましょう。個人的にはとても好きです。
さて、このお話では、文科省管領や、元教育者など、教育に関係のある人がたくさん出てきます。ということで、必然教育に関することもかなりのページを割いて語られています。
その中で「愛国心」という言葉が出てきます。そういえばこの言葉、二月近く前だったか、NEWS23あたりで特集されていましたっけ、「貴方には愛国心はありますか?」っていうのだったと思います。
せっかくなので、このことについてちょっと書いてみたいと思います。
愛国心って言うと、なんでしょうね。時にはたいそうなことのように語られることもありますが、わたしは、たいしておおきなものじゃなく、「この国が好き」とか、「この国にいたい」とかいう気持ちでいいんじゃないかと思います。
わたしは、あんまり他の国のことは知らないので何とも言えません。でも、四季がこんなにはっきりしてるのは日本だけみたいなことは言われているし、日本独特の自然と人工物との調和は、今更誰が真似しようとしても出来ないでしょう。言葉にこんなにバリエーションがあるのも他にはあまりないんじゃないでしょうか*1?そうすると、やっぱりわたしは、この国で一番落ち着くってことじゃないかな と思います。
このお話では――と言うより、浅見さんのシリーズ全体にも言えることですが、そこに大体「戦争」というキーワードが出てきます。「戦争によって価値観が変わった」「戦争のせいで*2日本人は愛国心を失ってる」など。
戦争についての言及は、(教育上では)避けられている傾向にあるのではないかということも書かれています*3。実際、「戦争という汚点」みたいな考え方もあったんでしょうか、それが言及を避けさせている原因なのかもしれません。そして、最低限書かれていることはといえば、たいてい悪事のことですね。あえて数え上げませんが。
でも、どの国だって悪いところはあると思います。そのことを学んで、繰り返さないようにするのは大切です。けど、だからといってそれを汚点だとする必要は今更ないんじゃないかなと思います。
ここからさきは、物語中にも言われているとおり、当事者や関係者にしか分かりません。
でも、ただ言えるのは、教育機関がそれを汚点としてとらえようが、それは愛国心だのとは全く関係がないんじゃないの?ということです。
まず、戦争や、その他汚点といわれているようなことは、どこの国も多かれ少なかれしていることなんじゃないかと。自分とことなる種族、部族の迫害などならやってるところは他にもいくつかありますし、戦争自体のことを言えば、してない国のほうが珍しいんじゃないでしょうか。どこだって後で悪いことだと言われるようなことはしているのだと思います。日本だけが特別に病む必要はないということ。
そして、もう一つは、そんなのほとんどの人が関心を持ってないだろうと言うことです。残念ながら、戦争で日本がやった悪事をいくら書き連ねたって、ほとんどの学生はそんなので日本が嫌いになったり、誇りを持てなくなったりすることはありません。だって、誰もそこまで集中して聞いてないんですから。
ということです(何が”ということ”か、自分でも分からなくなってますが(^_^;))。日本のホコリがどうのということに、戦争は関係ないということ、それを誰かが気に病んだりする必要はないんです。
そして、愛国心って言うのかどうかは分かりませんが、とりあえずわたしはこの国は好きですよ、たぶん他の国に生まれたとしたら、そこまで自分の国を好きになったりはしなかったかな というくらい。