高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

Unleash Meetに参加してきました #UnleashMeet

表題の通りですが、先日YouTubeで配信されたUnleashMeetというイベントを視聴+Slackグループに参加してきましたので、今回はその話をしようと思います。

unleash-meet.connpass.com

当日のイベント動画はこちら。

www.youtube.com

もともといつも参加しているもくもく朝会に情報がきたのもありますが、障がい者プログラマー ということをテーマとして構築されたイベントということで、興味があり参加しました。

自分自身、とくにこれといった障がいはありませんが、山手オープンタウンなどで様々な障がいを持つ方とお話しすることが増えたこともあり、興味があり参加。

当日の内容

当日の内容は、障がいのある立場として実際どうやって仕事をしているのか、どういうような技術を身につける必要があるのか といった話しを中心に行われました。

障がい者の方のIT機器活用事例については、以前スマートフォン勉強会でちょこっと聞いた程度で,、実際にどういう風な仕事の仕方をしているのか、どういう課題があるのかは全く知らなかったので、新鮮なお話しを伺うことができました。

そのあと、事後コミュニティとしてSlackのコミュニティにも参加し、情報交換をしています。

自分とアクセシビリティ機能

自分は障がいとしてではなく、Webアクセシビリティという分野に興味があって、HTML4の時代からときどきその辺の資料を読んだりしていました。

最初に興味を惹かれた理由は、当時Another HTML Lintを使ったこと。

www.htmllint.net

このサービスはHTMLに非推奨タグが使われていないかどうかなどをチェックして採点してくれるサービスですが、その他にもアクセシビリティの観点からふさわしくないマークアップ、推奨属性の省略などを警告してくれるサービスです。

そして次に、印象が強かったのが、当時開催されていた愛知万博のウェブサイト。

www.expo2005.or.jp

このサイトは万博の情報を紹介しているごく普通のサイトだったのですが、しっかり読み上げ対応されており、ブラウザではみえないが音声読み上げだと読み上げされるマークアップが複数ありました。

あのあたりから、Webアクセシビリティというものについて考えるようになり、なるべくならアクセシビリティ的にも優しいサイト作りをしたいなあ などと思っていたものです。

アクセシビリティ機能を使う機会

また、個人的にも、アクセシビリティ関連機能を活用する機会があり、それに関する課題を感じたのもあります。

当時Operaというブラウザにあったリンクリスト機能。

前述Another HTML Lintで指摘対象に「アンカーとして ここ などを使うのは好ましくありません。」という項目があります。

このとおり、リンクに「ここ」などといった文言が使われていると、このリンクリストにも「ここ」という文言が表示されてしまい、非常に困った記憶があります。

また最近も、ブラウザやスマートフォン自体の読み上げ機能はときどき使っており、「アクセシビリティ機能は、ちゃんと使えば健常者にも嬉しい機能なのでは」と思ったのがあります*1

健常者がアクセシビリティ機能を活用する術を見つければ、アクセシビリティ機能ももっと便利になる

これらを通して思ったのは、健常者がアクセシビリティ機能を使える方法がもっとあった方が、アクセシビリティ機能自体も発展するんだろうなあということ。

アプリケーション開発者にとって、アプリケーション開発企業にとって。

障がい者向けのアクセシビリティ機能というのはどうしてもどこか他人事のようで、どうしても開発の優先度としては低くなりがち。

企業レベルとなると従業員に障がい者がいるというケースもあり、いくらかアクセシビリティに対する理解も高くなるようではありますが、それでもそこまでのことはされていない という印象を他のイベントで感じました。

でも、実際に健常者でもアクセシビリティ機能を使えば楽ができる というケースは少なくないですし、それがもっと実感できるようになれば、環境も変わっていくのではないかなあ と。

HTMLのアクセシビリティ機能などもそうですが、これらはアプリが対応してればいいだけではなく、Webサイトがしっかりaria属性などに対応してたり、アクセシビリティ的に好ましいマークアップをしていたり といったサイト側の対応が必要となる

だからこそ、身近に障がい者がいる人たちだけでなく、より多くの人がアクセシビリティ機能を身近に感じられるようになることこそ、アクセシビリティ機能普及のために必要なことなんだろうなあ と思っていたものです。

コンテンツ発信者として、アクセシビリティ向上のためにできること

前述の通り、Webアクセシビリティの機能を最大限活用するためには、コンテンツ発信者側の対応が不可欠です。

たとえば、前述の通りの「ここ」「そこ」等の表現を使わないこと。

文章を全文目視で読んでいる場合はなんとなく文脈でそれが何を指しているのか分かる場合もありますが、視覚に頼らない場合や、別の機能を使う場合、これらの表現を使うと「ここ」が何を指しているのか全く分からなくなります。

また、略語を可能な限り排除することもあるでしょう。

略語は文章の量を減らすのには有効なのですが、音声読み上げではそのとおりに読み上げてくれるかは分かりません*2

もちろん、HTMLにはそんなときの誤読を防ぐために、abbrやacronymなどといったタグもあります。

しかし特にブログなどのメディアではいちいちそれを使うことは現実的ではなく、実質「それらのタグも使えない≒略語が使えない」ということになりがち。

このように、コンテンツを発信する側にもそれなりの工夫が必要になるのかな と思いました。

アクセシビリティ機能を、もっと気軽に

寝起きで目が開かなかったり、手足が痺れて動かしづらかったり。

障がいとまではいかなくとも、一時的に体の機能が制限される なんてことはよくあること。

そんなときにも気軽にアクセシビリティ機能に万人が触れられれば、もっとアクセシビリティ機能が注目され、進化するのではないか。当時からわたしはそんなことを思っています。

今回のイベントをとおして、このコミュニティとの関わりをとおして。

より万人にとって嬉しいユーザーインターフェースアクセシビリティ的に良いマークアップをするためにどうすればいいか といった情報収集ができればいいな と感じました。

*1:音声読み上げはブログの校正などに便利ですし、バスに乗っているときなど外から目を離さずにスマートフォンを触ったり、ネット記事を読んだりできるので便利なんですよね

*2:自分個人としても、この間音声読み上げで「Web ML」を「うぇぶみりりっとる」と読み上げられてびっくりしてしまいました