表題の通りですが、今年もパシフィコ横浜で行われた図書館総合展に行ってきました。
今回ははじめてバスで現地に向かったため、入り口のポスターを見ずに終わってしまった*1。
去年と変わったところ
去年やおととしとくらべてとりあえず変わったな と思えるところ、関心を持ったところのみ
- イベント全体の情報誌はスマートフォンアプリ化したため、配付資料が大幅削減
- ボードゲームやTRPGなどのゲームと図書館を絡めた試みがいくつかあった。
- カーリルのWeb API情報が配布されていた(JSON形式の書籍あらすじ・写真などを取得できるAPIとのこと)
- ポスター展示は相変わらず大学生の図書館チーム出展が多かった
- まさかのレノボジャパンが出展してた*2
ゲームと図書館
今回特におっと思ったのは、ボードゲームやカードゲーム、TRPGなどのゲームと図書館を絡めた試みを紹介する展示があったこと。「図書館をもっとよく知ってもらうためのイベント」としては「輪読会」だったり「ビブリオバトル」だったりアナログかつ真面目なイベントが多い中、ゲームと絡めるというのは面白かったです。
詳しくは時間がなかったため見られませんでしたが、カードゲームの内容も図書館に即したものとなっているようで、面白いなと思いました。
また、その中で見かけた本には、次のような言葉が。
「子どもが惰性でゲームをやってたらやめさせなさい」
惰性か否かわからないからゲーム機を子ども部屋に置くなというのはわかったけど、今やスマートフォンも立派なゲーム機だから判断は難しい。
— 高見ちえたん|11/25HTML5井戸端 (@TakamiChie) 2017年11月10日
ただそこはスマートフォンに制限を付与しておいて「HAHAHA制限をなくしたくばもっと勉強し成長してみせろ」といえばいいのかなと思う #図書館総合展
子どもはいないのでなんともいえないのですが、ゲームというものを受け入れた上で、うまいゲームとの付き合い方を模索させる という意味で、この方針はいいなあ と思いました。ただ、現状スマートフォンですらゲームハードになってしまうので、この言葉を実践する親はゲームについてしっかり学ぶ・事前に子どもとしっかり話し合う必要がありそう。
カーリル
カーリルは、図書館の蔵書情報などの検索システムを提供するサイト。オープンソースプロダクトへの参加なども多く、いつも他の団体とはやや違う雰囲気を放っています。
今回は、OpenBDという書籍のあらすじや写真などを取得するWeb APIの紹介を行っていました。書籍の情報をクエリとして発行すると、その書籍の情報が得られるというAPIで、データ形式はJSONという割と今時なAPIとなっています。
ここでWeb APIの情報を得られるとは思ってもおらず、「データ形式は?」という質問をしたせいもあってか、とても詳しい仕様まで教えていただきました。 また、このAPIを使った検索ページについても、オープンソースとして公開しているということです。
わたしは書籍の情報を扱う ということは多分ないのですが、今気軽に使えるJSON形式のAPIはなかなかないので、サンプルアプリなどで使えると良いな と思いました。
図書館ウェブサイトの調査結果レポート
今回ポスター展示の団体に、四国あたりでいくつかの図書館のウェブ情報発信について紹介した団体がいました。
四国の図書館は、TwitterなどのWeb情報配信や、図書の情報確認をホームページ上でできるなど、いろいろと情報発信に力を入れているようでした。横浜の図書館は・・・ うーん、どうだろう?
このへんについては、図書館の管理者ないし運営にかかわる人と、現在のWebでの情報収集が主な人との温度差がかなり出てきそうです。今回いくつかの図書館を調査したようですが、Webでの情報発信量にはそれなりに差があったようでした。
自分もふらっとステーション・とつかの広報をやっていて感じるところではありますが、このようなローカルな場所の運営メンバーはどうしてもWebのことをあまり考えない方が多くなりがちで、ともすればWebでの情報発信がおろそかになりがちです(ふらっとステーション・とつかなんかは、わたしがいろいろ要望した結果多少は情報発信が増えていますが、それでもあの程度ですし・・・)。
この辺はどうしてもスタッフの人達がどれくらいWebで情報発信をするという癖を持っているか に依存してしまうところがあります。Webをあまり気にせずとも、情報発信ができるしくみがあればいいのでしょうが。
そのほかの感想など
おみやげ
今回もノベルティなどをふくみ色んなおみやげをもらいました。
また有隣堂の販売コーナーがあり、書籍の他、ありあけのハーバーなども販売していました。ハーバー、ブルーベリー味とかあったんですね・・・。
雑感・要望
毎度のこと去年と入れ替わった企業も、去年と出展の仕方が大きく変わった団体もあり、見ていて飽きませんでした。来年もまた来たいですね。
ただ、要望としては
- 著者を出版・書店 と一緒にしないでほしい(参加申込書に「著者」として申請すると名札が「出版・書店」になってしまい書店向けソリューションをおすすめされてしまう)
- いいかげんすべてのチラシのデジタル版を簡単に入手できるようにしてほしい(スキャンがめんどくさい)
というところでしょうか。また、今回参加していたレノボジャパン以外にももっとソフトウェア・IT系の会社の活動が見られると面白いですね。
今後の活動に向けて
また、今回図書館総合展を見ていて、あらためてまた本を書きたいなあと思いました。もっとITの本質理解につながる本が作れないだろうか と。
知識を紹介する本は、わたしより得意な人が沢山います。Androidアプリ開発のこともそうですし、スマートフォンについてもそうかもしれません。でも、理解に結びつくような本は?
今回さまざまな方法で薬学や歴史を紹介する本を見て、また挑戦したい と思いました。書籍の作成についても、考えてみたいものです。
「むかしあそび」もいいが、「いまあそび」をフィーチャーしよう
また、今回のゲームに関する書籍を見て、やはり今の遊びについて、もうちょっとイベントをやった方がいいなあ と思いました。
ふらっとステーション・とつかなどだと、「むかしあそびひろば」と題してコマ回しやめんこなどの昔の遊びをフィーチャーしたイベントが多いのですが、ゲーム機のゲームやカードゲームなどの今の遊びをフィーチャーしたイベントは、あまり見かけません(少なくともふらっとステーション・とつかでは見かけません)。
しかし、ゲームとのつきあい方が親と子で大きく異なることがある今こそ、「今の遊び」をフィーチャーしたイベントが必要なんだろうな と思いました。なんとかふらっとステーション・とつかなどで実現できるとよさそうですね。