昨日6月25日(木)はちょっと久しぶりにさくらWORKSのイベントに参加。
とりあえず、Githubの中の様子がどうなっているのか見てみたかったので。時間の問題であまり話しは出来ませんでしたが、とりあえず中の人の話を聞けたので良かったかな と。
感想
とりあえずGithubに行政担当がいるという時点でちょっと驚き。行政事業のIT化に結構活躍しているようです。アメリカや日本での事例について、いくつか紹介していました。
ただ気になったのは、そういう「地域の活動で自分たちは儲けない」という発想は、別に日本に限った話しじゃないんだなあ ということ。
今回もたくさんの事例を紹介されましたが、別にお金が(行政担当者以外に)流れているわけではない。暗黙的にせよ「本業がある=自分の生活は問題ないから、収入源にはしない」という流れが出来ているように感じました。
それは、オープンソースの活動だから、当たり前といえば当たり前なのかもしれません。でも、それだとつまり、「他の要因により、生活に必要なお金が十分に稼げていて、かつそれでも時間が余っていて、その余り時間を地域に傾けても惜しくない」という人しか地域に関われない*1。
元々ある程度コンピューターに精通していて、勉強のための手間暇を惜しまない(あるいはそれでも相互扶助するコミュニティが形成できる)、コンピュータプログラムとしてのオープンソースソフトウェアであればそれでも良いのかもしれませんが、みんなが関わりうる地域という場所を作り上げるための仕組みが、(お金の生じない)オープンソース的なものなのは、それで大丈夫なのか?(地域に傾ける時間がないひとたちをいわば締めだしてしまうことによって、)意見が偏ってしまったりしないのか?という不安を感じました。
「活動している人にお金が入らない」という課題
「よそで稼げない奴はコミュニティに参画する資格すらない」なんだよなあ、極端に言えば。
これはオープンソースに限らず、勉強会コミュニティも地域コミュニティも、どこもそう。
あなたがコミュニティ主催者であったとき、職を失ったらどうするつもりなの?っていう。
— 高見ちえたん[08/22横須賀支部例会] (@TakamiChie) 2015, 6月 25
Twitterではたびたび言っていますが、こういう問題は、このような行政関係の取り組みに限ったことじゃない。今回のお話を聞いていて、もはや「本業があってちゃんと稼げていること」が、コミュニティ参画(企画運営などのスタッフ活動)に関わるための必須資格のようなものになっているように思えます。
それはIT勉強会のように不定期にぽつぽつとやるものであれば、まだいいですが、行政政策や地域活動のように、継続していく活動において、それではマズいのではないかな? と思います。もちろんそれでも興味があって関われる人はいるし、それだからこそ今回のようなイベントを開いても人は来るんだとは思いますが、この先もずっとそれで良いのだろうか?という問題は、たぶん目立ってないだけであちこちにあるんだろうな、日本国内に限った話しじゃないんだな というのを、今回話を聞いていて思いました。
問題の解決策
それではどうすればいいか?ここまでコミュニティの参画資格を持つ人たちだけがコミュニティを回している状況だと、今更変えていくのは、なかなか難しい気もします。
とはいえ、ひょっとしたらこれは、そのままではお金にならないことをお金にする、たとえば企業のOSSビジネスにヒントがあるのかもしれない なんてふと思いました。
オープンソースでメシが食えるか!?―成功するシステム構築のためのOSS活用術
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そういえばこんな本を持っていたので、じっくり読んでみようと思います。
*1:逆を言えば、そもそも時間に余裕がなかったり、空いた時間を生活を支えるために費やしていたり、副業があったり、他のコミュニティ活動に費やしていたりする人には、関われない