Twitterで流れてきたコミケの話。今回は(も)技術系サークルがたくさん参加していたようですね。
- UNIXユーザーのためのコミケット84情報ページというのもみました。これ、OSCとかじゃないよね・・・?
まあ、それはそれとして。
今回かなり盛り上がっており、開幕からわずか40分少々で完売したというEffective Androidという本。こちらで使われていたReVIEWという書籍作成向けのツールキットが話題になっていたので、ちょっと調べていました。
このReVIEWというのは、独自の特殊記法で記述されたテキストを変換してePUBやPDF、HTML、TeX Documentなどなど様々なファイルを生成出来るRuby製のドキュメント変換ツール。
基本的な部分は次のドキュメントが詳しいです。
調べてみると達人出版会というところでは割とメジャーに使われているツールだそうです。
電子書籍、作るとは言ったものの何で作ろうか困っていたので、これで作るのも良いかもしれません。テキストベースだからGitで管理しやすい というのも個人的には良いところ。
WindowsでReVIEWを使うには
で、このツールはUNIX/Linux系のツールです。WindowsではCygwin上で動かす必要があります。
自分は「え、CygwinをCygwinコンソールで使うなんて、そんなのイヤイヤ」という人なので、ちょっといじってWindowsのコマンドプロンプトから使えるようにしてみたので、ひとまずメモ書き。
どちらにしろちょっと面倒なので、本格的に使うときはGinnieスクリプトでも書いた方が良いかもしれませんね。
参考
ひとまず以下を参考にしました。
手順
まず、ここで必要なのは次のものです。なお、ReVIEWは内部でRubyのfork()メソッドを使用しているので、Windows用のRubyではなく、Cygwinでインストール出来るRubyを使用する必要があります(公式サイトのWindows用Rubyでは、fork()メソッドが使えない)
手順は次のとおりです。
- Cygwinをインストールします。ここで、インストールするパッケージにrubyを含める必要があります。
- ReVIEWをインストールします上記QUICKSTARTに書いてあるとおり、ReVIEWはgitにて管理されていますので、git cloneコマンドを使用してリポジトリから取得します(自分は、TortoiseGitを使いました)。
- 次に環境変数の設定です。Cygwinのbinフォルダ(自環境ではC:\CygwinにCygwinをインストールしているため、「C:\Cygwin\bin」)と、ReVIEWのbinフォルダ(自環境ではC:\tools\reviewにreviewをインストールしていたため、「C:\tools\review\bin」)を環境変数PATHに設定します。
- このままではWindowsのコマンドプロンプトからReVIEWの各種コマンドを呼び出すことが出来ないため、\review\binフォルダに各種コマンド呼び出し用のバッチファイルを作ります。
- \review\binフォルダをコマンドプロンプトで表示し、reviewコマンド全てに拡張子をつけます(ren * *.rb)
- rbファイルと同じ名前のバッチファイルを作成します(copy *.rb *.bat)
- 作成したバッチファイル全てを、次の内容で置き換えます。
@echo off ruby %~dpn0.rb %*
Windowsではデフォルトでbatファイルを拡張子なしで呼び出せるようになっているので、これでひとまずOK。
あとはQUICKSTARTの記述にしたがって、sample.reを任意のフォルダに配置し、コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行。
review-compile --target html sample.re > sample.html
これでひとまず、HTMLが出力されました。複数の章を一斉変換したいときは、「CHAP」という拡張子なしのファイルを作成し、そこに一行ひとつのReVIEW形式のテキストを指定します
sample.re
sample2.re
なお、CHAPファイルがあれば以下のコマンドで一括変換が可能。
review-compile --target html -a
ただし、各行のファイルは別のファイル名である必要があります(各reファイルと同じ名前のhtmlファイルが生成されます)。
ePUBとPDF出力
QUICKSTARTの記述を見ると、ePUBとPDFの出力にはreview-pdfmaker、review-epubmakerコマンドを使うようです。こちらのほうはまだうまくいっていません(ePUBを実施してみたものの、真っ白なファイルが出力されている)。
「No such file or directory - review-compile」と出ているので、環境変数の設定がうまく認識されていないようです。ほかの処理はうまくいっているので、環境を見直せばあっさり解決しそう。
2013年8月12日22時00分追記 ひとまず解消
review-epubmakerで拡張子なしのファイルを見ようとしているため、失敗しているのが原因でした。
review-epubmaker.rbの721行目(あたり)の、「exec("review-compile --target=html・・・」を「exec("review-compile.bat --target=html」に書き換えればひとまず動きます。
この辺はもう少しましなアプローチを考えないといけませんね。
ひとまずこのReVIEWでいくかどうか、もう少し検討してみようかなと。