sam113さんは、アマチュアゲーム作者の立場として、いろいろ考えていらっしゃいます。フリーソフト作者にとって、直接問題のあることではありませんが、興味深いことです。同い年(多分)として、尊敬してしまいます。
さて、本日の記事(id:samona:20050603)について、コメントを書いたのですが、言い残した部分について、こっちでも書こうと思います。
フリーソフトのあり方というのは、特にゲームでは、難しいかもしれません。わたしのようなフリーツール作者は、商用ソフトでは出来ない(しづらい)ような細かなことを、こちらなりにやってしまえば済むのですが、ゲームでは、商用ゲームでは出来ない細かなことというのがありません。"短いけれど商用ゲームにある不満を解消したゲーム"なんていうのならば、もう既にやっている人が何人もいます。
彼の記事を読んでいて思ったのですが、フリーゲームも、フリーツールみたいに、もっとPCらしいところで勝負してみるのもいいのではないかな などと思います。
一応わたしが考えているゲーム案では、フルスクリーンで表示するにしても、画面上に(現実世界の)現在時刻を表示するとか、アラーム機能を搭載するとか、Windowsアプリケーションとしても通用する機能をつけておく ということです。オンラインゲームの「リネージュ2」が、MSNメッセンジャー機能を搭載したとのことですが、あのような感じで。オンラインゲームはやったことがないので、わたしはどうしても「ゲーム中にキーボードなど打てないだろう」と思ってしまいますが…。
あとは、ゲーム(であるイベントを)クリアをすると、フロッピーディスクが手に入る。それをゲーム中のある人物に渡すと、おまけデータの入ったZIPファイルを実際にHDDにコピーできるとか。WinAPIを直接呼び出したり出来ない(克つ、データの暗号化も出来ない)RPGツクールではまず無理ですが、オリジナルプログラムならば可能かもしれません。
それから、可能ならばウィンドウモードはつけておきたいですね。RPGツクールのそれのような、ウィンドウモードを非推奨としなければいけないようなパフォーマンスではダメです、ウィンドウモードでも十分に動作するのが望ましいでしょう*1。
完璧なゲームにこだわらないなら、デスクトップ環境を利用したゲームも面白そうです。そういうのでは、窓の杜でもたまに見かけるタスクバーゲームシリーズがありますね(GeoShellにはタスクバーなんてないので、うちでは使えませんが)。
壁紙もゲームの一部として使ってしまうなんていうのも、面白いかもしれません。PCのデスクトップを丸ごとゲーム環境にしてしまうのです。ゲームがインターネットでのチャット等をベースにしたゲームだったら、これほどぴったりの環境はないでしょう。とはいえ、そうすると規模がとめどなく大きくなりそうですが*2(ーー;)
以前「スーパーゲームボーイ」だったでしょうか、机の上にぽっかり穴が空いたかのような感じ(スキン)で、ゲームがプレイできました。無理ならばあのような感じでもかまいません。どうせタスクバーやら、その辺のものなんて、画面のど真ん中においている人はいませんから、ゲームをしながら作業だって出来るのです。ドラッグドロップなんかもしちゃったりして(何を?)。
まあ、やろうと思えば、いろんな方法で、ゲームとPCを同化させることもできるかもしれませんよね。どうでしょうか?>主にsamさんに聞いてほしいつもりで。
そうそう、前企業合同説明会に行ったときにある会社の人から聞いた言葉ですが、
フリーだからこそ、バグがあるかもしれないし、不足点は多いだろう。けれど、フリーだからこそ、冒険的な試みも、私たち企業に比べてたくさん出来る。
私たちはバグが怖くて、どうしても冒険的な試みが出来ないことが多い。だから、そういうスタンスがあってもいいと思う
うろ覚えなので言い回しは結構違いますが、こんな感じです。フリーソフト作者にとっては結構当たり前なのかもしれませんが、なかなか忘れやすいことです。わたしたちの作るフリーソフトは、製品にはまず滅多に勝てません。しかし、勝とうと考えること自体が間違いなのです。製品とはそもそも次元が違うのです。そこに勝った負けたという概念はないのです。共存できるものならば、共存してしまった方がよいし、必要ならお互いを認め合うべきです。
それと最後に。わたしはときに、「フリーのほうが信用できる」と思っています。
まず、フリーゲームはフィードバックが反映されやすいです。フリーゲームは、多くの場合作者のWebサイトに感想や、バグ、要望報告が出来ます。製品にはそれがあるでしょうか?少なくとも、スクウェアなどのような有名会社には、そういう存在はありません。.hackなどのように、ゲームの専用掲示板が、制作会社に存在する…しかも、スタッフがレスをつけてくれるなどと言うのはまれな例です。
さらに、最近の市販ゲームには、キツい言い方をすれば未完成形のまま出荷されているゲームも少なくありません、しかし、どんなに後悔する結果となっても、製品の場合出荷したら最後です。バージョンアップは基本的に許されません。
そのへん、ユーザーからのフィードバックを、「ディレクターズカット(SO3など)」でも、「インターナショナル(FF10など)」でもなく、「バージョンアップ」という、もっとも手数の少なく、かつ不満の出にくい方法で実現できるのですから。