高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

プログラマの心構

コメントしようと思ったんですが、長くなりそうなので記事にしました(というより、コメント欄が狭すぎてコメントしづらいんですよね。やはりCSSでどうにかしろということでしょうか)。
さて、本文。

まずは問題の詳細なレポートを作りましょう。

問題が発生したら、発生させる手順や環境をできるだけ詳細にまとめます。いつから問題がおきるようになった、こんな操作ならばエラーにならない、というように、気づいた点はなるべく多く列挙します。

yasuhoの隠れ家 - プログラマにバグを直してもらう方法

たしかに「詳細なレポートを」という文言を掲げるプロダクションは、フリーウェア関連の財団でもたまに見かけます。しかし、それはプログラマが口にしていい言葉なのでしょうか。
会社同士の――いわゆるBtoBのソフトウェアはべつとして、一般のユーザーはほとんどの場合、レポートを書くほどの技術や暇がない。ひょっとしたらそこまでしてそのソフトを使ってやろうという愛もないかもしれない。
特に安価 もしくはフリーのソフトには、ほとんどの場合同種のソフトというものがたくさんあります。
そんな中で、バグのあるソフトの作者がそんな態度をとっていたらどう思うでしょうか。
わたしならソフトに思い入れがないかぎりは別のソフトに移るか、バグのでない運用でごまかすか。あるいはもっといいソフトを自分で作ってしまおうかなんて考えたりもしますね。いずれにせよ、レポートを出してまでバグをなおしてもらおうなんて思いません。
たとえ詳細でなくても、バグを報告するだけでもおっくうなユーザーはいるものです。相手に伝えるためにはそれ相応の労力を使うし、再質問でもされたらそれはそれで面倒です。結果作者の元に寄せられるバグ報告は、全体のわずか一握りになる。これでは品質向上は望めません。

どこで聞いたか忘れましたが、多くのユーザーは沈黙しています。そんな沈黙のユーザーのかすかなグチをできるだけ聞き取っていかなければ、ソフトの品質が向上することはないのではないでしょうか。

ユーザーの声を拾うには

いうまでもないことですが、ユーザーにこっちに来てもらうようなことはできません。作者からユーザーとの距離を縮める方法を考えるべきです。
そのためには、ユーザーがフィードバックを送るまでの手順をより短くすることが必要じゃないでしょうか。
掲示板やユーザーフォーラムなどの手段もありますが、それでもまだ掲示板やユーザーフォーラムの場の空気があったりしてそう簡単ではなかったりする。下手に質問して「運用でどうにかしてください」なんて言われた日には、もう二度と要望なんかしてやるかという気になりますものね。
メールだと、今度は作者のコストが高すぎます。それだけでいやになるプログラマの卵もいそうですね。
そこで、無記名かつ返信不要のフィードバック方法――昔でいう目安箱のようなものがあるといいのではないでしょうか。
もちろんユーザーフォーラムなどの場はあった方がいいでしょうが、そこに書くのが面倒な人は目安箱に投書してもらえばいい。作者はそれを見て、多い質問をFAQに書き出すとか、要望の機能を検討するとかすればいい(また、あえて公開しないことで、荒らされる可能性も減るでしょう。重複は多くなりますが、そんなのはカウントだけして読み捨てればいい)。
これはフリーウェアやシェアウェア作者に限ったことではなく、企業が設置しても良いものではないかと思います。ユーザーが多いなら、その分沈黙のユーザーも多い。たとえ愛情があっても敬遠されてる場合だってある。
半端じゃなく多いのなら簡単な振り分けのシステムなどを組み込んでもいいですし。カウントミスは出るかもしれませんが、それでもユーザーの声の8割はくみ取れると思います。

ユーザーはお客様

まあ、わたしが言うと結局アマチュアやフリーウェア分野の話になってしまうのですが、仮にこちらに金銭の収入がなかったとしても、ユーザーは立派なお客さんです。そのお客さんに面倒をかけて自分の尻ぬぐいをしてもらおうなんてことは、とてもではないですができませんね。
プロはそうでないのかもしれませんが、自分だってプログラマであると同時に、他のソフトのユーザーです。自分がバグを報告する立場になったら(忙しい合間を縫って)どれくらいまでならバグレポートをしてやっても良いのか。そのあたりから自分の要求するバグレポートのレベルを考えるべきではないかと思います。