高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

アプリのマネタイズ

iOSの子ども向けアプリについて、先日こんなブログ記事がありました。

しかも、単に、子供向けアプリが分類されて選びやすくなった!そんな話ではありません。この「子供向け」カテゴリーに入っているアプリは、アップル社が決める、言ってみれば “子供向けアプリにふさわしい条件を満たしたもの” らしく、つまりは、そんな厳しい審査をくぐり抜けた良質のアプリばかりが勢揃いしているということであります。

主婦もゆく iPad一人歩記

iOSの子ども向けカテゴリについてはしっかりとした条件があるのですね。Windowsストアアプリについても対象年齢が低いアプリについては制約が厳しいなどあると聞きますが、やはりどこのストアにもこういうのがあるのでしょうね(そもそも審査のないAndroidには、そんなカテゴライズなどないわけですが)。

さて、気になったのは以下のくだり

ちなみに、話は少し変わりますが、AppStoreの「子供向け」カテゴリー、有料のものが多いですよねぇ〜。これって、ある程度、安心感のあるアプリを与えようと思ったら有料のものになるってことでしょうか。。。このカテゴリーに無料アプリがもっと並ぶことを期待したいですねぇ・・・

主婦もゆく iPad一人歩記

たぶんここに反感を覚える人は多いんじゃないかと思います。

iOSではご存じの通り、アプリ開発者登録を行うだけで、アプリが有料だろうが無料だろうが一万円/年のお金がかかります。そのほか、新しいOSへの対応だったり、利用者とのQAだったり、開発にかかるコストは膨大です。

ホビープログラマも多くなった今とはいえ、iOSでアプリを無料で配布しよう!というのはかなり厳しい話。広告を掲載せず、無料で配布しろ というのは言ってしまえばかなりむちゃくちゃな要求です。

ベネッセだったりどこかの大きな出版社であったり、他の分野での収益を主力にできるような大企業ならともかく、個人や小規模な企業では、広告が出せなければ有料アプリにするしかない というのは至極もっともな話でしょう。

だったらこれはおかしな発言なの?

ただ、これがおかしな発言に見えるのは、開発者側から見た話。

利用者からすると、こういう発想になるのは至極もっともな話であると思います。


アプリと全く関係ない分野や、自分の興味ないアプリの広告は見たくないですし、かといって無料のアプリがわんさとある中、お試しもできない有料アプリを買おうというのはかなり覚悟がいることでしょう。

あとでアプリ内課金によるアンロックができるアプリなどでもいいのですが、特に子どもに貸し与える端末でそういうアプリがある というのは、ちょっと と言うかかなり、構えることだと思います*1。んじゃあ無料で試して気に入ったらアプリ内課金で買ってから渡せと?もっともな話ですが、ではその独自ルールをどうして全く知らない人に理解させられるのでしょう。


利用者の側、特に(自分の子どもを含む)他人に貸す側からしたら、広告というモノは特に「忌むべきモノ」になるのは至極もっともな話だと思います。

広告という文化、収益性を理解してもらう

ただ、だからこそ「広告に頼ることによって、本来有償にすべきことを無償化している」という現状については、もっと多くの人に認識してもらわなければいけないと思うのです。

「アプリ自体を有料化して稼ぐ」というのは自分自身がお金を払うことになるので分かりやすいのですが、「アプリに広告を載せて稼ぐ」というのはとくにわかりづらいですからね(たとえそれが、「iOSの開発者登録費用を賄うだけ」程度のものであっても)。

稼がなければ生きていけない ということ。

そしてもう一つ。アプリの開発であっても、地域の活動であっても、「収益性のない活動」というのは異常である ということを理解してもらう必要がある。

これは、サラリーマンとして、間接的に安定した収入を得ていたり、主婦として収入源はないが安定した環境で過ごしていたりすると、案外気がつきにくいんじゃないかな(自分もそうでしたし)。

どんな活動にどれだけコストがかかるか というは提供する側も、提供される側も、しっかり理解しておく必要がある と思う。案外自分の専門分野外のコストについては、自営業の人ですら無頓着だったりするので。


解決すべきは「こういう人がいる」という現状を踏まえた上で、お互いが満足いく方法を考えることじゃないかな。

「マネタイズ」という考え方

まあそれはそれとして。

だが。ゲーム内で「さらにお金がかかるよ」的な仕組みがチラリと見えてしまうと、私(筆者)は一気に萎えてしまう。最後までゲームを味わうには、結局いくらかかるんだ。怖いよ。おそろしい。だったら最初から有料で売ってよ。多少高くてもいいからさ! ……と思ってしまうのだ。

【コラム】なぜ「無料のiPhoneアプリゲームで遊ぶ → さらに遊びたいなら課金せよ → 萎える」のか | ロケットニュース24

最近確かに収益化の仕組みって、いろいろありすぎておかしくなっているのかな と思います。アプリ開発というのはお金や時間を大量に消費する行為ですし、「趣味だからいいや」としたとしても、趣味だけでは生活できません。霞を食って生きていけるほど(少なくともわたしは)成熟していません。

でもちょっと、やり過ぎじゃないのかな?というものは確かに多くなってきたなあと思います。課金前提のゲームバランスのゲームであったり、ステージが一個進む度に出てくる広告であったり、いかにも買わせるためにやってるものもおおかったりして。

広告もそうです。ダウンロードボタンがたくさんあるダウンロードページだったり、クリックして欲しいばかりにアニメーションの激しい広告だったり。

そもそも広告って、こういうモノじゃないよね?街頭広告も新聞広告も、広告にはたくさんのモノがありますが、どれもネットにあるものほど違和感がなく、街の景観の一つになっているものも多い と思う。

プレイヤーが多すぎて、参入の障壁も低すぎて、ちょっとおかしなことになっているなあ と言う気もする。自分も何かを販売するときにはしっかり気をつけておかないとなあ。

*1:というのは、このあいだのパソコン文化祭でもそれは思いました。まあ、子どもたちが広告を「ゲームとは別の何か」という形で捉えてくれていたので良かったのですが・・・