高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

ボヌールフェスタでプログラミングワークショップを開催しました

5月28日(日)は、先日書いた通り、ボヌールフェスタでプログラミングワークショップを開催しました。

今回は結局Scratchを利用。Scratchでキャラクターが動いているところを実際に触ってもらい、どのようなことができるのかを紹介、実際に触ってもらう というもの。特にプログラムなどはなく、ワークショップといえるものでもないかもしれませんが。

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結果としては、割と好評。参加者は6人ほど。うち二人ほどの子はとてものめり込んでいました。

ボヌールフェスタとして表彰もされてしまった。 f:id:TakamiChie:20170530130817j:plain ということで、内容としてはあまりにもつたないものではありましたが、それなりの成功を収めることができた と思います。

Scratchについて

で、今回子ども向けにScratchを使ってワークショップをして。

いちおう、前回もScratchを子ども向けワークショップで使ったことはありました。

blog.onpu-tamago.net

今回は前回と違い、特にプログラムを用意せず、またスタッフも自分一人だけ という状況。Scratchを子どもたちが触っているところを実際に見ていて感じたことですが。

とりあえず、Scratchは(少なくとも現代の)子どもたちには向いていないんじゃないの?と思いました。

座標系の問題

一つ目。Scratchは-240~240の座標軸の中でキャラクターをアクションさせます。キャラクターを移動させるにも回転させるにも「10歩動かす」とか「15度右に回転する」とかいうブロックを指定しないといけない。

実際その辺子どもはあんまり気にしないのでいいのですが、使い方を説明する側は困ります。とくに今回来た子には小学校低学年~中学年の子が多く、座標や角度の話をどう説明すれば良いか、非常に迷いました。

講師がサポートしづらい

キャラクターが暴走して画面の端をはみ出てしまった場合、あとで正しくプログラムを書き直してもキャラクターは戻ってきてくれません。キャラクターの位置を一度リセットする必要がある。

そのときも、マウスで戻すか「X:0 Y:0の位置に移動する」のブロックを使って元の位置に戻してやる必要があるんですね。

恐らくゆっくり時間が取れるワークショップでは、その辺の問題も含めて説明できるんでしょうが、今回のような短い時間では、こういった初期化処理の大切さを論じても仕方がないし、そもそもそんな説明をしている時間はない。

ブラウザアプリなので…

また、ブラウザアプリなので、画面をダブルタップするとズームしてしまうのも難点。お子さんによってはやっぱりキーボード・マウス操作より画面タッチを優先しますので、そのたびにキャラクターが見えなくなるのは面倒くさいです。

あとは、ローディングに時間がかかるのも難点ですね。これらについては、オフライン版Scratchを使うとかいろいろ対策はあると思いますが。

完全ひらがなモードのアクセスがしづらい

Scratchを日本語環境で開くと、漢字かな交じりのUIが表示されます。

ただ実は完全ひらがなモードというのも用意されていて、これを使うと全てのUIで漢字が使われなくなります。今回来た子の中には当然読めない漢字がある子もいるので、途中から完全ひらがなモードを使っていました。

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しかしこれ、ひらがなモードが隠し機能みたいになってるのも良くないですね。

メニュー部分の左がわに表示されている地球マークをクリックして、ずっとスクロールして「にほんご」を選ぶ とか、わかってる人じゃなきゃ気付かないでしょ。

Scratchって実は大人向けでは?

Scratchは、キャラクターの座標指定とか、比較的プログラム言語そのままのifブロック、whileブロックなど、ある意味他のプログラム言語に比較的近く、プログラミングを学ぶのには良いのかもしれませんが、ちょっとプログラミングの概念を知るだけにしては余計なものがあるかな という印象を感じました。

そういう面では、むしろ数学はそれなり以上わかっていて、漢字も常用漢字なら読める、新卒生や地域の人たち、高齢者のほうに向いているのでは なんて思いました*1

実際他所のレポートを見ている感じ、子ども向けにはScratch見たいにソフトウェアで完結するものより、ロボットプログラミングなどハードウェアに繋がっていくもののほうがウケが良いみたいですし。

ただ、いずれにせよ何かポストScratchのような、もうちょっとこういう場でも、大人向けのワークショップでも使いやすいものが欲しいな と思いました。まあ、作れ という話かもしれませんが。

プログラミングは料理

以前Twitterで、プログラミングの授業を家庭科の授業になぞらえて解説されている方がいて、注目を集めていたようです。

togetter.com

以前から自分もプログラミングは料理のようなものと話していましたが、今回はこの例えも大いに使わせていただいています。若いお母さんにも、お年寄りにも、このたとえはよく伝わります。

プログラミングだって、別にプロになるだけが道ではなく、料理で言うなら家庭料理のレベルで留まる人がいたっていい。むしろ今は、そのくらいで留まる人が必要だと思うのです。実際プログラミングができる人がそんなにいない職場には、プログラミングで解決できる、最適化・効率化されていない仕事があるのも珍しくない状況ですし。

今はプログラミングが全然できないか、セミプロレベルかプロかしかいなく、その中間がない。プログラミングができない人がまず目指す人や段階が、見えにくいのではないかな と。

今後では、どうしようか。

今後に向けて というと大げさですが。

今後も年齢問わず、プログラミングに触れる機会となるイベントは開催していきたいと思います。まあ、今回は小規模なものですし、今回の主催の方とはほかでも縁があったので、簡素なものを安価でやらせていただきましたが。

今後はもっと設備を整え、大がかりなワークショップなどもやっていきたいですね。前回までのようにふらっとでも良いですが、それ以外でもやっていければと思います。

*1:まあ、それにしては絵柄が幼稚すぎるし、作れるものが限定されすぎているので使いづらいのですが…。せめてWebからデータ読みだしとかくらいできればいいものの