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12月17日のアドベントカレンダーの記事では、こどもとデジタルアドベントカレンダーで、大人が障害とならないように、という記事をお話をしていこうと思います。
わたしたちまちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.では、例年9月から11月に、中学校でプログラミングの授業を行っています。
この学校は、緑園学園という横浜市泉区にある学校で、義務教育学校*1の中学部の人たちを対象とした授業です。
この授業は、表現未来デザイン科というこの学校の特別なカリキュラムの一環で、地域の人たちにいつも授業では学ばないことを学ぶ、というような方針の下、行われています。
内容としては和菓子の製作とか、創作ダンスとか、新聞を作るとか、そのようないろんな取り組みを行っていて、この中のうちのどこか一つの授業を受けてね、というような制度の授業。 その中のコースの一つ、プログラミングを自分たちが担当するということで、3年間、このような形での授業を行っています。
詳細については後ほどSIDE BEACH CITY.のブログレポートとして記事を書いていこうと思っていますので、今しばらくお待ちいただければと思います。
はじめて参加した発表会
今年はこの授業、今までとは違って、他のクラスの人たちも含んでの発表会を実施することになり、見させてもらいました。
学校の生徒たちが作ったアプリを1学年一つ、これはといったものを選んで発表しましょうというような内容です。 実際にプログラミングコースでは、その中の生徒さん3人が出演してこんなものを作りましたよ、というものをやることになりました。
その他にも、それぞれのコースがやったことを発表するのを見させてもらって、和菓子製作だったら作ったものの紹介や、科学実験に関するコースを選んだ人は、実際にやった科学実験やそこで得られた知見の発表などを行いました。
この発表会はいろいろな手法によって発信をされていて、プレゼンテーションや動画制作など、さまざまなツールを使われていました。
「こんなものを作りました」「こんなことをやりました」など、BGMもちゃんと設定して動画を作っているということで、やっぱり今の子どもたちってこれくらいやるんだなと、実際におぼろげには聞いていましたが、実際に見ると得られる感覚も違うもの。 そういう機会としても今回発表会を見られた、そして表現未来デザイン科っていう授業全体の様子を見ることができたっていうのは、とても良かったなと思っています。
大人はこれらの活動を邪魔しないでいられるのか
ただそれと同時に思ったのは、この子どもたちの活躍を大人が邪魔しちゃいけないということ。
たとえば自分たちがよく関わるような相手、自分がよく行くコミュニティカフェの方に今回の話をするとどうなるかを考えてみました。
するときっと「あ、今の子どもたちってすごいのね、私たちは全然かなわないわー」って言われたりするんじゃないか と。
でもそれだけじゃダメなんですよねって思ったんです。
子どもの勉強の機会も大人の努力があってこそ
結局子どもたちがそうやって科学技術とか動画制作とかいろんなものをやることで成長できたっていうのは、大人の努力が裏にあったからこそっていうところも大きいと思うんです。
例えば科学実験のための道具が用意されていた。 プログラミングのためのアイディアを提案していた。 本物の和菓子職人の人がそばにいた。
やっぱり結局子どもの成長って今までもお話をしてた通り、やはり周りの大人に支えられるものなんじゃないのかなと、自分は思います。
それであれば、地域の子どもたちが関わる可能性がある大人が「私たちにはできないわー」って言ってるだけではダメなんじゃないかなとも思ったんです。
大人は子どもの活動を、ただしく支援できるのか
たとえ地域のコミュニティカフェの人たち自身は何も知らなかったとしても、場所を提供する必要はあるかもしれない。
そのためにはWi-Fi設備とか用意してなければいけないかもしれない。
何か必要な写真があるよとかあれば手伝ってあげなければいけない。
そういうように周りの人たちが協力するためにはそれなりの知識がそれぞれの人にも必要だなと思うんです。
地域のコミュニティカフェの人が何も知らないと、子どもの可能性を結局邪魔してしまう。説明の手間がその子たちに生じてしまう。そういうようなことがあり得るなと思ったんです。
だからこそそうならないように自分たちが活動していかなければいけないなと今回の発表を見て思いました。
すべてを知っている必要はない。邪魔しないでいられればいい
別に全ての答えについて知識が追いついていく必要はないと思います。
子ども自身が活動していかないといけないっていうのは当然ありますし、子どもたちの知識欲の前にやっぱり大人は敵いません。
ただどうか邪魔をするようなことはしないでほしいな。 足手まといになるようなことにはならないようにしたいなとは思うんです。
そのための環境はなるべくこちらで用意してあげられるような、そのための環境を理解できるようなくらいの知識は持ってほしいなと非常に思いました。
課題は常に、大人にある
わたしたちは、まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.ではSBCast.という地域活動、コミュニティ活動を紹介するポッドキャストを行っています。
ここでゲストとしてお越しいただいた岡本さんという方、この方がおっしゃるには実際の課題って子どもの側にはない、大人の側にあるっていうふうに言われていたんですね。
実際必ずしも課題が大人の側にあるとは言い切れないときはあります。 子どもに課題があって、結果子どもの成長がうまくいっていないとかそういうようなシーンもあるにはあります。
ただ実際大人の課題のせいで結局子どもがうまく成長できない状況になることはすごく多いんじゃないかなと思っています。
今までこの子どもとデジタルアドベントカレンダーでも様々な子どもとデジタルの可能性の話をしてきました。
その時も常に大人については言及をしていると思いますが、子どもが全力でやりたいっていうことをやるためには。AIツールやデジタルツール様々なツールを活用するためには。やはりどこかしらで大人の支援が必要になるっていうのもあると思うんです。
だからこそ、その時には全力で応援できるように、たとえ自分に知識がなかったとしても周りの人と力を合わせて応援できるように、大人がしっかり構えておく必要があるのではないのかなと感じました。
そのための情報や知識、設備は自分たちが提案していければいいなと思います。
だからそう、それをうまく使って皆さんは子ども成長を手助けできるような、そういうような仕組みを作る必要があるなとすごく感じました。
そんなわけで、やはり大人が子どもの障害とならないようにするというのが子どもとデジタルを語るにあたってとても重要なことなのではないのかな。子どもがデジタルを使って最大限活躍するためにも大人の環境を変えていく必要があるのではないのかなと、わたしたちまちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.はそのようなことをとても重要だと考えています。
だからこそ、そのような活動に賛同するといういろいろな方々にもぜひご協力いただければと思っています。
もしこのアドベントカレンダーの記事を読んで興味を持ったという方、うちの団体にはエージェントという会費は発生しないし議決権もないけれど、でもお手伝いはしますという枠も存在します。
そういうところからSIDE BEACH CITY.の活動に関わってみていただけると嬉しいなと個人的には思っています。
そんなところで、今回のアドベントカレンダーの記事はこれにて締めとさせていただければと思います。
*1:横浜の場合は、小学部6年、中学部3年という構成のため実質小中一貫校という感じになるんですが