高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

個人で作れるようなプロダクトは果たして作り尽くされたのか

f:id:TakamiChie:20211105162022p:plain 今日はここから。

stand.fm

もう7,8年くらい前の話だったか。

以前関わっていたIT関係のコミュニティの方に「個人で作れるような(ソフトウェアだけで完結するような)ものはもうだいたい作りきったでしょ」みたいな話しを聞いたことがあり、それがずっと心に残っています。

実際今でも、AWSなどのXaaSを使ったウェブサービスか、IoT機器やスマートフォンの利活用以外で個人がアプリを作って何かというケースはだいぶ減っている感触があるし、まあそういう風に考える人は、この数年で増えたのだろうなあ と思っています。

はたしてそうだろうか?

ただ最近、個人的にはこの考えには疑問を持っています。

そうはいってもPCでなんらかの活動をする際「こういうのあったほうが楽だな」とか「こういうのがないと面倒だな」と思うことは個人的にもちょくちょくあるし、そのために作っているツールも結構あるので。

たとえば最近だと、stand.fmでの音声配信につけるカバーアートやBGMを生成するツールや、オンライン配信時に画像の切替えをスムーズに行なうためのCastBackground、クリップボードのモニタリングに加え、その中のURLのリンクチェックを行なうClipboardMonitorなど、様々なツールを作っています。

これらツールは、仕組み的にはそれほど複雑なものじゃない。

でも案外探してみても代替となるようなツールがなく、しょうがないなあと思って作ったツールなんかもある(CastBackgroundなんかはまさにそんな経緯で作った記憶があります)。

商用のプロダクトやWebサービスはどうしてもある程度大がかりなことしか出来ず、小規模なものを作るのには手間がかかってしまいがち。

個人が作れる規模のプロダクトの必要性は、むしろ増えたのでは?と最近思ったりします。

Webサービスの支援ツールとして

とくに最近は、オンラインの配信、音声収録など、活動の範囲が増え、それにともない支援ツールが必要になる ということも増えた気がします。

ゲストに渡されたURLを確認したり、そこを開くためのQRコードを生成するとか、ゲストが話題に出した情報について調べるとか、そういったことを会話の流れを止めることなく行なう というのは結構難しい。

複数人のスタッフがいる場合であれば、それはアシスタントなどにまかせればいいかもしれない。

でも、SBC.オープンマイクなどのようにスタッフが少ないイベントの場合、そういうことを全部自分でやらねばならず、結果ツールに頼らざるを得ない ということは多い。

ほかにも音声配信やブログの記事作成、SNSのストーリーズなど個人が情報発信をする場は増え、その分だけそこに生じる面倒を解消するためのツール開発の必要性も増えたのではないか?と、最近感じています。

ミニツール開発がもっと評価される世の中へ

そして、こういうミニツールを作っていれば、周りに評価されたり、おなじ活動をしている人に使ってもらえたりする。

そんな昔のインターネットのような状況もまた来るのではないかなあ と考えることもあります。

そのためには、非プログラマの方にもある程度一般的なPCツールの仕組みや知識*1が必要になることもあるだろうし、あるいはそういう人たちとアプリ開発者との連絡がよりしやすくなる*2必要もあるでしょう。

アプリの開発者も、開発者ではなく、単純にそれらツールを使うユーザーも、等しく変わっていかないといけないんだろうなあ などと思います。

まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.の理事としても、そのような開発者と非開発者のつながりをつくっていく支援が出来れば良いなあ などと、最近思います。

*1:たとえば一般に公開されているアプリのインストール方法とか、それらツールで今一般的になっている操作方法についてとか

*2:連絡手段という意味でも、おたがいに傷つけ合わない話し方 という意味でも