高見知英のかいはつにっし(β)

高見知英のアプリケーション開発日誌 のほか、地域活動などの活動報告ブログ。

Googleで検索不可能な世界

最近「地域でインターネットを十分に活用できない人が、最新の情報を気軽に得るにはどうすればいいか」というのを考えています。たとえばテレビのように、特に本人に探すためのスキルがなくても、気持ちさえあれば情報がプッシュで入ってくるような仕組み。

現在多くの情報は、インターネットで公開されています。検索さえできれば簡単に手に入る情報もかなり多い。ただし、「検索さえできれば」

上でぼやいてる心臓ペースメーカーに関する情報も、総務省が情報を公開していますし、各種ニュースサイトもそれを取り上げています。

でも、全てはネットの中の話。たとえこの情報に関心がある人でも、これらネットメディアにアクセスするための知識が全くない人には、情報を得る手段が一つもない。


最近さくらWORKSやふらっとステーション・とつか・港南台タウンカフェなどでいろいろな人と話をしていると、そういう「ネットの中でしか流れていないけど、ネットの中では常識に近い情報」に触れることができてない人は結構いるなと感じます。

スマートフォンが普及し、当たり前にFacebookやLINEを使って通信が出来る人は増えましたが、実はそれイコールインターネットの情報にアクセスできること ではない(Facebookと電話とメールは使えるが、他のスマートフォン機能は使えない とか、ブラウザの起動はできるが、ニュースサイトなどを見ることはできない という人は結構多い)。

Googleで検索不可能な世界

こういう人はFacebookなどの閉じたネットワーク以外には情報を発信しないため、Googleでは検索ができません。そのため見えづらいですが、確実に日本国内にたくさんいるし、しかもかなり多いんじゃないか と最近思います。

いわば、「Googleで検索不可能な世界」。この世界は思ったより広いし、現実世界と思ったより密接に繋がっている。

Googleで検索可能な世界に住む人へ

自分たちは、Twitterだったり、ブログだったり、なんだかんだ「Googleで検索可能な世界」で主に生活していると思っています。そういう人は、もっと「Googleで検索不可能な世界」のことも知ったほうがいいと思う。

それはいくつか理由があると思ってます。

説明力が付く

Googleで検索可能な世界でばかり話していると、どうしても相手が「わからない部分は検索して勝手に情報を手に入れ、わからない部分を補完する」と思ってしまう。なので、説明が歯抜けになってしまいがち。

こういう地域の場や、Facebookの中しかインターネットを知らないような人と話をしていると、そんな「わからない部分はググって」という空気は通用しない。ちゃんとそれでも伝わるように説明に磨きをかける必要があります。

だからこそ、自然と説明力が付いてくるのかなと。

新しい顧客が増える

もし自分がアプリや電子書籍などデジタルコンテンツを販売する立場にいる場合、そうやって新しい人と話すことは、宣伝の機会になります。

こういう世界にいる人は、アプリも電子書籍も要らないだろう と思いきや、案外興味を持ってくれる人はいたりして。こういう場で話す人は、いままで「自分をググってくれなかった人」なので、今までとは全く違うタイプのお客さんになってくれる可能性があります。

自分たちに居心地の悪い世界にならないようにするために

そしてこれは今までにも何度かつぶやいていますが、地域が自分たちにとって居心地の悪い世界にならないようにするためには、こういう人たちともっと話す必要がある。

先に「この世界は思ったより広いし、現実世界と思ったより密接に繋がっている。」と書きましたが、たとえば現在さくらWORKSで盛んな行政との連携やオープンデータの活用、ボランティアなど地域に根ざした活動など、なんだかんだ言ってこういう人たちの活動は、「地域社会によく見える」し、「直接社会の風潮を変えうる」力があると思っています。

だからこそ、こういう人たちと関わらないのは、「自分たちに居心地の悪い社会になっても文句が言えない」ということに繋がるのかな と。こういうところに自分たち「Googleで検索可能な世界」に住んでいる人が積極的に関わっていく必要があるのではないか と思います。

とにかく、まず関わること

そのためにはまずはイベントに参加してみることかな と。さくらWORKSのイベントでも良いですし、ふらっとステーション・とつかのイベントなんかでもいい(こちらは平日メインなのでちょっと立ち入りづらいかもしれませんが)。こういうところに行って自分たちの存在感をもっと強くし、お互いにある誤解を解いていくことが重要なんじゃないかな と思います。

最近はどちらの世界も大きく変わってきています。だからこそ、世界での居心地を良くするためには自らその世界にアクセスしなければいけないのかなと思います。もちろん、「Googleで検索できない世界」を完全に見捨てる という選択もあるのですが、結局生身の人間である以上それでは生活できないのではないでしょうか。